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Title:【伝説の店 Vo.3】博多だるま総本店~リアリズムとエモーショナルのバランスの中で生まれるラーメン

◆客観的な冷めた視点と、主観的な熱い想い

「元々自分はラーメンはそんなに好きじゃかなったんですよ」

そう屈託なく笑いながら語るのは、福岡の人気ラーメン店「博多だるま」を経営する有限会社D&H inc./D&K inc.の代表・河原秀登氏。

「博多だるまラーメン」は河原氏の父である河原登氏が開業し、その歴史は創業50年を超える。

河原秀登氏はその2代目であるが、ただ単に伝統を守るだけの2代目とは違う創業者チックな視点を持っている。

何と言えばいいのだろうか?
リアリスティックな思考と、エモーショナルな想いを交錯させながら、どちらかに傾きすぎないように行動する、絶妙なバランス感を持つのが河原氏なのだ。

そのリアリスティックな面が「ラーメンは好きじゃなかった」とさらりと言わせ、博多名物のとんこつラーメンという料理を客観的に見る視点を持ちながら、同時に「とんこつラーメンも博多の文化ですから、ラーメンを通じて博多の文化を世界中に向けて紹介したいんです」というエモーショナルな”想い”を持った経営を行っている。

その客観的な冷めた視点と、主観的な熱い想いという、ともするとどちらかに傾きがちになる2つの要素を1つのものとして抱き合わせに出来るバランス感覚。
河原氏のお話を聞いていると、そのバランス感覚の中に「博多だるま」が50年以上の歴史を刻みながらも今でも人気店であり続けている秘密があると感じられる。

「博多だるま」「秀ちゃんラーメン」という2つの名店を経営する河原秀登氏。その経営のバランス感覚が2店の人気を生み出している。

「博多だるま」「秀ちゃんラーメン」という2つの名店を経営する河原秀登氏。その経営のバランス感覚が2店の人気を生み出している。



 

◆伝統を受け継ぎながら、同時に新しいチャレンジを行う

河原秀登氏は1966年生まれの48才。

「好きではなかった」という言葉通りに元々ラーメン屋を継ぐつもりではなかった。
高校卒業後大阪で和食の料理人として修業をし、福岡に帰って来てからも中洲で別の仕事をしながら父親の「だるま」を手伝うというどちらつかずの生活を送る。

その頃のラーメン屋というものを河原氏は「今のようにビジネス的に語れるものではなかった」と振り返る。
繁盛店と言える店もまだなかった時代であり、「だるま」を手伝っていても自分の人件費はほとんど出ない家内制手工業のような世界がラーメン屋だった。

しかし、23歳の時に「どうせやるならばしっかり打ちこんだ方が良い」とラーメン屋に打ち込む決意をし、さらに「27歳には自分の店を持とう」という目標を持ってラーメン一本の道へ進む。

その目標通りに27歳の時に立ちあげたのが現在D&H inc./D&K inc.の2本柱の1つでもあり、ニューヨークやカンボジアにもその存在感を示している「秀ちゃんラーメン」である。

さらに2000年には東区箱崎にあった先代の「だるま」が暖簾を下ろすあたり2代目としてその名を引き継ぐことを決め、中央区渡辺通1丁目に「博多だるま」を開業。

その際には、名前を受け継ぐにあたり先代が培ってきた伝統と技術も継承し、同時に全て同じことをするのではなく、今の時代に求められるラーメンとは何か?を新しく表現し直すというチャレンジも行うことで、「博多だるま」をこれから新しく歴史を作るブランドに作り直すという作業も行っている。

その伝統を受け継ぎながらも新しい表現へのチャレンジを同時に行うという姿勢の中に河原氏のバランス感覚が見えると同時に、だからこそそこに「博多だるま」が歴史を重ねながらも人気をさらに加速させた要因があるとも言えるだろう。

2000年12月に開業した「博多だるま総本店」。渡辺通り1丁目の裏路地にありながら昼夜お客様の絶えない人気店であり続けている。

2000年12月に開業した「博多だるま総本店」。渡辺通1丁目の裏路地にありながら昼夜お客様の絶えない人気店であり続けている。



 

◆全てが組み合わされて生まれる1杯のラーメン

河原氏が「だるま」の名称を引き継ぎ渡辺通りの「博多だるま」を開業する際に行ったチャレンジとは食材の見直しである。
先代河原登氏が生み出した独自の麺の製法とスープの取り方は受け継ぎつつ、麺の素材、スープに使われる素材を全て新しいもの切り替えたのだ。

そこで目指したのは「健康的なラーメン」。
ラーメンは日常食だからこそ体に良いものを口にして欲しいという気持ちの中から、化学調味料を使わず無添加の素材にこだわったラーメンを作り出した。

その試みが正解であったことは、「博多だるま」開業し15年経った今の食の状況を見れば分かるだろう。

今でこそ飲食店の世界では健康志向は当たり前のように語られるが、2000年当時に行われた河原氏の取り組みは正に”チャレンジ”と表現して良いものであった。
まだ業界全体の意識がそこに至らず、業者に無添加の食材を求めても持っていなかった時代。
ないものは自分達で作ろうとスタッフと共に仕込みに時間をかけながら取り組んだ古くて新しい「だるま」のラーメンの味は、そこで表現されたものが今の時代にマッチしていたからこそ福岡を代表するラーメンとして名を轟かすに至っている。

「博多だるま」で出されるとんこつラーメンの一杯には、おそらくそれが生み出される背景となった先代への想いもあるだろう。
あるいは、その先代を含めてとんこつラーメンという文化を生み出してきた博多の街への想いもある。
さらに、体に良いものを食べて頂きたいというお客様への気持ちもある。
同時に、今の時代のラーメンがどうあるべきかを考えた冷静な視線がある。
もちろん、繁盛店を作ろうとするビジネス的で客観的な意識もあるだろう。
それらの全てが、どれか1つか掛けても成り立たない断片として組み合わされバランスを取りながら表現された1杯。
それが河原秀登氏が生み出した、「博多だるま」のラーメンなのだ。

健康を意識した食材を使いながら伝統的な技法で作られる「博多だるま」のとんこつラーメン。

健康を意識した食材を使いながら伝統的な技法で作られる「博多だるま」のとんこつラーメン。



 

◆博多とんこつラーメンから福岡の文化を発信

その河原氏はこれからの展開については日本という枠を越えて世界的な視野の中で考えている。
既にニューヨークでは5年前に「秀ちゃんラーメン」を開業し、同店はニューヨークで巻き起こった「ラーメンブーム」の牽引的な存在として知られている。

同時に昨年はカンボジアにも「秀ちゃんラーメン」を出店し、東南アジアでのビジネス展開の生の感触もつかんでいる。
河原氏にとってアジアは「まだまだこれからのマーケット」であると言う。
出店においての法制面や税制面でのインフラ的な問題もまだ多くあり、同時に文化的な背景という面においてもラーメンが受け入れられる下地がまだ出来切っていないと感じている。

むしろ河原氏が今現在で可能性を感じているのはヨーロッパである。
それは昨年からパリにおけるラーメン店の状況を実地で見聞する中で「日本で名店と言われる店ばかりではなく、なんでもないラーメン屋までもお客様の行列が出来ているんです」という生の感触を感じてのこと。
「ヨーロッパにもラーメンの火が着き始めていますよ」と目を輝かせながら河原氏は語る。

河原氏の海外へ意識の背景には、自身が属しているとんこつラーメンの世界が福岡という地域を世界へ発信するための格好の文化的な要素だという考えがある。
「日本という大きな枠ではなく、日本の中の福岡をいう街を世界に紹介しようと思ったら、とんこつラーメンというのはとても紹介しやすいんですね。とんこつラーメンを食べてもらうことで福岡を知ってもらうきっかけが生まれますから」とは河原氏。
河原氏の海外への出店は、「福岡の文化としてのとんこつラーメン」を世界に紹介したいというエモーショナルな想いが原動力になっているのだ。

同時に国内への展開、特に「博多だるま」の今後の展開に対しては「もっと出店したいという気持ちはありますし、出店しないかと声をかけて下さる機会も多いですが、人を育てて行かないと無暗に出店できないので、意図的に店を出すのを控えています」とリアリスティックな視点で考えている。

ここにもまた河原氏のバランス感覚が顔を覗かせている。
アグレッシブであるが、同時に堅実的な面がここでも両立しているのだ。

さらに「人を育てる必要がある」と語る河原氏の言葉の背景には、単純に出店要員を作るという現実的な要素だけではなく「人を育てることが福岡らしさを生む」という気持ちがあるのも垣間見える。

河原氏は人を育てるという面では「店を任せるスタッフには名物店主になってもらいたいんです」と語る。

同時に河原氏に「外から来るお客様から見た時に福岡らしさと言うのはどこにあると思いますか?」と質問した際の答えが以下のものである。
「福岡の面白さを考えた時、そこにあるのは人の魅力ではないかと思います。こんな場所がある、こんな店があるというのではなく、この店に行けばこんな面白い人がいるという、その人に会いに行くのが面白いといえる魅力ある人が多いのが福岡でしょう」

「そこへ行けばこの人がいる」という魅力的な店主がいて、そこでは福岡の文化の一要素としてのとんこつラーメンが食べられ、それらを通して福岡らしさを感じてもらえる店。
そしてそこで提供されるラーメンは、製法や技術は伝統を守りながらも、表現は今の時代に合わせたものになっている。

伝統を守るという保守的な要素、時代に合わせるという革新的要素、ビジネス的なリアルな要素、福岡の文化を世界に知ってもらいたいというエモーショナルな要素、それらが一体になって進む「博多だるま」は、これからも博多とんこつラーメンの世界を牽引する名店として福岡で愛さる店であり続けるであろう。

理想主義的なエモーショナルな要素と、現実主義的なビジネス視点が1つにまとまるバランスの中で「博多だるま」は名店の名を手にしている。

理想主義的なエモーショナルな要素と、現実主義的なビジネス視点が1つにまとまるバランスの中で「博多だるま」は名店の名を手にしている。

店舗データ

店名 博多だるま 総本店
住所 福岡市中央区渡辺通1-8-25
アクセス 地下鉄七隈線渡辺通から徒歩5分
電話 092-761-1958
営業時間 11:30~24:30 (オーダーストップ.24:00)
定休日 元旦

Title:【COLUMN Vo.14】フードスタジアム九州の役割とこれから

3月の終わりより、約3ヵ月間フードスタジアム九州の更新が滞っておりました。
色々と事情が重なり更新が出来ませんでした。
本サイトを楽しみにご来訪下さる皆様には申し訳ございませんでした。
7月の声を新たにして、フードスタジアム九州は再開いたします。

フードスタジアム九州の立ち上げの理念は変わっていません。
「福岡を美食の街にして内外の観光客が集まる場所にする」
それは理念でもあり、理想でもあり、何よりも現実的な目標です。

最近お会いする飲食店経営者の方を見ていると元気な方にはある共通項があると感じています。
それは単純に自社のお店を繁盛させたいというだけではなく、もっと広い視点から福岡市・九州・日本という地域に対して自分が何が出来るのか?を考えていらっしゃる方が多いということです。
それも酒の場での勢いの話ではなく、具体的に何が出来るかを考え、そして実際にそれをやられている。

経営者は地域活動や奉仕活動をしましょうという話ではありません。
そうではなく、今の仕事を通じて磨かれた技術と経験を活かし、今の仕事の延長の中で地域への貢献を実行されている方々がいらっしゃるということです。
それはとても素晴らしいことであると同時に、だからこそその方々は元気なんだと感じています。

私自身はこれまで言葉や文章を通じて店や商品や人の魅力を伝えることにこだわって来た人間ですし、私自身がやって来た仕事の殆どはそこに集約されます。

ただ、それが今よりもより広く、より大きな影響力を持って、より多くの人達へ伝わっていくには、まだまだ私自身が研鑽を積む必要があると同時に、フードスタジアム九州もまだまだこれから積み上げていかなければならない物がたくさんあると感じています。

九州にはまだ伝えるべき魅力が沢山あります。
その魅力をより多くの人達に伝え、その魅力が価値としてより大きく広がるよう、そのお手伝いをすることがフードスタジアム九州という媒体の役割であり、その延長の中に目標としている「美食の街・福岡」があると感じています。

その役割を全うするために、編集長としてこれからも研鑽を積んでいく所存です。

これからもフードスタジアム九州をご愛顧頂けるよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 




島瀬武彦島瀬モノクロ横
1971年7月20日生まれ。山口県山口市出身。学習院大学フランス文学科中退後、家業の喫茶店の2代目として飲食店経営に関わる。山口県山口市徳地という山の中の田舎の立地に苦戦する中で、神田昌典氏が主宰する「顧客獲得実践会」に参加。通販業界が使うダイレクトレスポンスマーケティングの手法を飲食店の集客に応用することで売上を劇的に改善。2004年よりマーケティング・戦略コンサルタントとして活動。2014年よりフードスタジアム九州編集長を務める。

 

Title:【WINE NEWS】日本の風土とワインを合わせる~日本各地の極上の食材で作ったワインに合うおつまみ

ワインの魅力を知る上で重要な要素は、そのワインの味だけではなく、その味が作られる背景にあります。

どのようなブドウ品種が、どのような土壌で、どのような人たちの手で、どのような想いを持って作られるのか?

それを知らなくとも、ワインの美味しさは飲めば分かるものかもしれません。
しかし、それらを知ることによって、ワインはただのアルコール飲料ではなく、自然と歴史、そして様々な人の手を経て生まれる”文化的な背景”を持った飲み物へと昇華されて行くのです。

(株)モトックスが展開する「ワインtoおつまみ」シリーズ。日本各地の厳選された食材を使ったおつまみを通して日本の風土をワインと一緒に楽しめる。

(株)モトックスが展開する「ワインtoおつまみ」シリーズ。日本各地の厳選された食材を使ったおつまみを通して日本の風土をワインと一緒に楽しめる。



その中で「テロワール」という言葉を聞かれたことも多いかと思います。
テロワールとは、そのワインを造るブドウ品種を育む土壌や気候などの風土のこと。

世界中の様々な産地の中で、同じ風土を持つ場所は1つもありません。
そして、違う風土の中で育てられ醸されたワインもまた同じものは1つもありません。

そのテロワールの多様性は、そのままワインの世界の多様性であり、豊かさでもあります。

では世界中の様々な風土で醸されたワインを、日本の風土、日本のテロワールで育まれた食材に合わせたらどうなるのか?

そこで生まれる美味しさを気軽に楽しんで頂くために、日本各地の厳正素材で使い、ワインに合うことを目的に作られたおつまみのシリーズ「ワインtoおつまみ」をワインインポーターである(株)モトックスが開発されているので、ご紹介しましょう。

そのおつまみの1つ1つの美味しさとそこから感じられる日本の風土の素晴らしさ、さらに日本の風土から生まれた食材とワインとのマッチングを試して頂くことは、お客様にとってワインの世界の奥深いを魅力を知って頂く、絶好の機会になるはずです。

 

◆福岡県うきは産「濃厚ドライキウイ」

ワインtoおつまみ「福岡県うきは産濃厚ドライキウイ」 内容量30g 希望小売価格 550円

ワインtoおつまみ「福岡県うきは産濃厚ドライキウイ」 内容量30g 希望小売価格 550円



その「ワインtoおつまみ」シリーズの中で、先ずは九州の皆さんにはお馴染の地域の食材は、福岡県うきは市のキウイを使った「濃厚ドライキウイ」でしょう。

北に筑後川、南に耳納連山を抱く自然溢れるうきは市は「水と緑とフルーツの里」の名を持つ程、果物の栽培が盛んな地域です。特に11月から12 月にかけて、おいしいキウイが収穫できます。

そのうきはのキウイは果実自体に甘味や旨味が詰まっているため、その旨みを引き出すために無添加にこだわり試行錯誤を重ねて開発したのがこの「濃厚ドライキウイ」。
特にスパークリングワインや辛口の白ワインと合わせることで、キウイの甘みと酸味と香りがワインの酸味と香りを引き立てます。
キウイと葡萄の組み合わせが合わないはずはありません。
だからこそうきは市で特別に育てられたキウイを使うことで、その美味しさが最大限に引き出されるのです。

 

◆秋田県北秋田市産「比内地鶏芳醇ジャーキー」

ワインtoおつまみ「秋田県北秋田市産比内地鶏芳醇ジャーキー」 内容量30g 希望小売価格 800円

ワインtoおつまみ「秋田県北秋田市産比内地鶏芳醇ジャーキー」 内容量30g 希望小売価格 800円



薩摩地鶏・名古屋コーチンに並び「日本三大地鶏」に数えられる秋田・比内地鶏。

その比内地鶏の中から「歯ごたえはあるが加熱しても固くなり過ぎず、肉の味が濃い」という特徴をしっかり持った北秋田市産の鶏を厳選し、さらに世界自然遺産にも登録されている白神山地で採れた天然酵母「白神こだま酵母」を含んだフルーツもろみ液に漬け込んだ後に乾燥、天然酵母の力で発酵熟成させることで、まるで生ハムのような芳醇なジャーキーを作り出すことが出来ました!

合わせるのは程よくタンニンが含まれているミディアムボディの赤ワイン。赤果実風味が鶏の味わい深さを引き立てます。さらに辛口でミネラル感の強い白ワインと合わせても、生ハムのような旨みがさらに美味しく頂けます。

まさに日本の風土が生み出した特別なおつまみです!

 

◆大分県豊後大野産「カボスピール爽緑&完熟」

ワインtoおつまみ「大分県豊後大野産カボスピール 爽緑」(画像左)「同 完熟」(画像右) 内容量30g 希望小売価格 550円

ワインtoおつまみ「大分県豊後大野産カボスピール 爽緑」(画像左)「同 完熟」(画像右) 内容量30g 希望小売価格 550円



大分県の西南部に位置する豊後大野市。その地域で栽培されるカボスは「竹田カボス」と呼ばれてきました。その中でも同市にある「あねさん工房」で栽培されるカボスは酸味と香りがはっきりとした質の高いもの。少人数でも丁寧に手を抜かずに栽培されたカボスには「あねさん工房」の皆さんの愛情が一杯に詰まっています。

その「あねさん工房」のカボスの皮を砂糖に漬けて乾燥させた「カボスピール」は、程よく柔らかく、同時に爽やかな香りと心地よい酸味を持った独特の旨みが魅力。

「カボスピール 爽緑」は8月中旬~9月終わりに収穫するカボスを使用。フレッシュな香りと爽やかな酸味が特徴です。
「カボスピール 完熟」は11月初旬~12月中旬収穫の完熟かぼすから作り、まろやかな酸味と芳醇な香り、甘みがあります。

その2種ともにスパークリングワインの爽快感にぴったり。さらに柑橘系の酸味は辛口の白ワインとも相性が抜群です!

 

◆おつまみから感じる「日本のテロワール」

「ワインtoおつまみ」シリーズはご覧頂いたように、ただワインに合う食品を用意したのではありません。
ワインという世界各地のそれぞれの風土から生まれた飲み物を、日本の風土から生まれた食材と一緒に味わって頂くものです。

そしてその過程で「日本のテロワール」を感じて頂くならば、そこからワインをきっかけした日本の新しい食文化が生まれるのです。

おつまみとしてはほんの小さな一皿ですが、そこに込められた思いは大きく、豊かです。

しかし、先ずはぜひ「ワインtoおつまみ」シリーズをお試しください。
そして是非お客様にもお薦め下さい。

先ずはその美味しさを感じられるならば、そこが全ての始まりになるはずです。

 




 

この記事の商品に関するお問い合わせ
(株)モトックス 西日本チーム
TEL:06-6723-3135(代)

Title:【COLUMN Vo.13】コーヒーの世界大会とサードウェーブ系カフェ

ワールドカップと言うとサッカーを連想する人も多いと思いますが、コーヒーの世界にもワールドカップがあるのを皆さんはご存知でしょうか?

毎年、日本スペシャリティコーヒー協会が主催するバリスタ・サイフォニスト・ラテアート・カップテイスターズ・ロースティング・ブリューワーズの各分野の国内大会の優勝者が世界大会へと駒を進め、世界中から集まるコーヒーのスペシャリストと熱戦を繰り広げます。

2014年には丸山珈琲の井崎英典氏が日本人で初めてワールドバリスタチャンピオンシップを獲得するなど、日本のコーヒースペシャリストが世界においても高いレベルで活躍しているのをご存じの方もいらっしゃると思います。

実はその世界大会においては今年は日本大会を優勝した3名の福岡県の選手の活躍が期待されています。

バリスタ部門では福岡市薬院のレックコーヒーの岩瀬由和氏。カップテイスターズ部門では大宰府の珈琲蘭館・田原照淳氏。そしてロースティング部門では大野城市の豆香洞コーヒー・江口崇臣氏が5月に開催される世界大会へ挑戦します。

先日とある集まりに参加した際にロースティング部門の江口崇臣氏とお話しする機会がありました。江口氏の師匠は豆香洞コーヒーの店主である後藤直紀氏。後藤氏は2013年の世界大会の優勝者でもあります。

「世界チャンピオンになることがどれほど大変なことか、師匠を通して間近に見ていました。世界大会ではいい結果が出せるよう頑張ります」

とは江口氏の弁。師弟での世界チャンピオン誕生が期待されます。

 

ここ数年、コーヒーの世界はNY発のサードウェーブ系のカフェの話題で盛り上がっています。

今年は特に「コーヒー界のApple」と呼ばれるブルーボトルコーヒーの日本出店と、オープンと同時に生まれた大行列が話題をさらっています。

「サードウェーブって何だ?」と思われる方もまだ多いと思いますが、サードウェーブ系カフェとは豆の産地と個性に拘りつつ、同時にその豆の個性を活かした抽出方法で1杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れるスタイルを取る店のことを指します。

90年代からスターバックスを中心に話題になった深煎りの豆をエスプレッソマシンで淹れる、いわゆる”シアトル系コーヒー”のことをセカンドウェーブと言います。それとは対極に位置するスタンスからサードウェーブと呼ばれているのが現在のムーブメントですが、実はこれって昔から日本の自家焙煎珈琲店が培ってきたスタンスでもあります。(日本の珈琲専門店の手法をNYのコーヒー好きの若者が真似をすることで生まれたのがサードウェーブだという話もあります)

ただ、昔ながらの珈琲専門店とサードウェーブ系のお店が違うのは、ともするとマニアックな方向へ走りがちであった珈琲専門店に対し、豆のクオリティや抽出方法には同じように拘りながらも、”今の時代”の表現でお店全体をデザインすることでカジュアルでよりオープンな世界観を打ち出しているのがサードウェーブ系のカフェ。

つまりコーヒーに対する難しいことを知らなくとも、より美味しいコーヒーが普通に楽しめるようになるのがサードウェーブ系のカフェなのです。

このサードウェーブ系のカフェはこれから福岡でも様々なお店が台頭してくると予想できますが、ここで注意しておきたいのはサードウェーブ系のカフェの認知が広がるならば、同時に消費者のコーヒーのクオリティに対する意識も向上するであろうということです。

コーヒーは日常的なドリンクであるが故に、専門店でない限りはドリンクメニューの中でも脇役になりがちです。

しかし、店側が脇役と考えているからと言って、お客様の方も同じように捉えているとは限りません。

食後のコーヒーとして明らかに不味いコーヒーを飲んだお客様は、そのお店を「美味しい店」と評価するでしょうか?

そのお店で最後に口にしたものがコーヒーであれば、その味がそのお店全体の評価になることすらあると思った方がいいでしょう。(最後に口にしたものの印象が、そのお店の印象になるのです)

サードウェーブ系のカフェの動き、そしてコーヒーのクオリティに対する消費者の意識、注目しておいた方が良いと思います。

 

もちろん、それはそれとしてコーヒー世界大会へ出場される3名の方々の活躍には期待しています。

選手の皆さんの活躍、そしてこれから台頭してくるであろうサードウェーブ系カフェ、それらがこれからの福岡のコーヒーのクオリティを高めます。

お客様は常に「今よりも美味しい何か」を求めているのです。

 

 




島瀬武彦島瀬モノクロ横
1971年7月20日生まれ。山口県山口市出身。学習院大学フランス文学科中退後、家業の喫茶店の2代目として飲食店経営に関わる。山口県山口市徳地という山の中の田舎の立地に苦戦する中で、神田昌典氏が主宰する「顧客獲得実践会」に参加。通販業界が使うダイレクトレスポンスマーケティングの手法を飲食店の集客に応用することで売上を劇的に改善。2004年よりマーケティング・戦略コンサルタントとして活動。2014年よりフードスタジアム九州編集長を務める。



 

Title:【WINE NEWS】モトックス 春の試飲会2015 福岡 会場試飲レポート~「今おすすめのワインはこれだ!!」

2月24日に開催された(株)モトックス主催の「春の試飲会 2015 福岡」。

「モトックス 春の試飲会」当日は会場は多くの来場者で賑わった。

「モトックス 春の試飲会」当日は会場は多くの来場者で賑わった。


この日だけで酒販店および飲食店関係者が350人、夜の一般参加者を含めれば600人が集まったこの試飲会は、モトックスが取り扱うワインの中から厳選された約200本が展示されると同時に、その全ての試飲が可能な、これからワインに力を注ぎたいと考える飲食店にはありがたいイベントとなっています。

しかし、200本もあると何をどう選んでいいか迷うのも確でしょう。

そこでフードスタジアム九州編集部も当日会場へ足を運び、各ブースの担当者の方に直接お話を伺いながら「今おすすめはこれ!!」というワインをチョイスして頂きました。

今回はその試飲会レポートとして、各ブース担当者がチョイスして下さったワインを皆様にご紹介して行きます!!

◆モトックス・ビオディナミ

近年盛り上がりを見せる“自然派ワイン”。
画像中央が「フォン・ウィニング リースニング トロッケン Q.b.A 2013」(希望小売価格2300円)

画像中央が「フォン・ウィニング リースニング トロッケン Q.b.A 2013」(希望小売価格2300円)


自然農法で育てられた葡萄で造られたワインは、ワインを育てる土壌にも、それを飲む人にもダメージを与えないワインとして注目が集まっています。

その需要に応えるべくモトックスでは、栽培・醸造・瓶詰めまで全工程において天体の運行から土壌を取り巻く環境の全ての力を利用した生物動力学的農法“ビオディナミ”で造られたワインを集めた独自ブランド“モトックス・ビオディナミ”を展開しています。

今回の試飲会ではその“モトックス・ビオディナミ”中でも今ドイツで最も注目されるワイナリーであるヴァイングート・フォン・ウィニングの「フォン・ウィニング リースニング トロッケン Q.b.A 2013」(希望小売価格2300円)をすすめて頂きました。

口に含むとふくよかで多彩な香りと共に広がる豊かな味わいは自然派ワインらしい厚みのある表情を持っています。
全ての土の恵みがその味わいの中に溶け込んでいるかのようです。

「アップルツリー・フラット シャドルネ 2013」(希望小売価格1400円)

「アップルツリー・フラット シャドルネ 2013」(希望小売価格1400円)



◆オーストラリア

オーストラリアのワインは19世紀初頭から約200年の歴史を持っていますが、生産の近代化がおこなわれ輸出が盛んに行われるようになったのは1970年代に入ってからでした。
そのためまだまだ“若い”生産国と思われがちなオーストラリアワインですが、近年世界各地で起こっている「革新」の渦はオーストラリアも例外ではなく、その中でも特に情熱的なワイン造りを行っているワイナリー、ローガン・ワインズの「アップルツリー・フラット シャドルネ 2013」(希望小売価格1400円)を、今回の試飲会ではオーストラリアブース一押しのワインとしてご紹介頂きました。

柑橘系のフレッシュな香り。口に含むと先ず感じるのは柔らかで丸みのある味わい。そしてすっきりとした風味。価格も含めカジュアルで気安く楽しめる普段着のワイン。それでいて飽きの来ない味わいは、様々な場面で使いやすい白ワインと言えます。

「ラ・カシーリャ ビーニャ・エストレチャ 2013」(希望小売価格3900円)

「ラ・カシーリャ ビーニャ・エストレチャ 2013」(希望小売価格3900円)



◆スペイン

スペインは今、正に革新的な仕事をするワイナリーが次々と現れています。
その中でもスペインの新しい潮流を代表すると言われる醸造家・フアン・アントニオ・ポンセ氏により立ちあげられたワイナリー、ボデガス・イ・ビニェードス・ポンセは、2004年に新設されたばかりのマンチュエラというマイナー産地で、ボバルと言うこれまたマイナーな地元品種のブドウを使ったワイン造りにチャレンジし、短期間でスペイン国内だけではなく国際的な注目を集めるワイナリーに成長することに成功しました。

ビオロジック(有機栽培)で育てられたボバル種を100%使って年間わずか2400本しかリリースされない「ラ・カシーリャ ビーニャ・エストレチャ 2013」(希望小売価格3900円)がスペインブースのまさに“今”おすすめのワインです。
しっかりしたフルボディの濃いタンニンの味わい。それでいてエレガントで濃縮された風味。

マストロベラルディーノ氏。手にしているのが「グレコ・ディ・トゥーフォ 2013」(希望小売価格2700円)

マストロベラルディーノ氏。手にしているのが「グレコ・ディ・トゥーフォ 2013」(希望小売価格2700円)



“フィネス”というワインに対する最大級の賛辞が贈られるこのワインは確かに一押しに値する“奇跡”といえる一本です。

◆イタリア

やはりイタリアワインは人気があります。

試飲会当日もイタリアワインのブースには時間に関係なく常に人だかりが出来ていました。
特に今回はイタリアの名門ワイナリー・マストロベラルディーノ氏が来場され、直接話をしながら試飲が出来ると言う絶好の機会。フードスタジアム九州編集部でも氏に直接声をかけさせて頂き「福岡の飲食店の皆様にぜひ紹介したいワインを選んで下さい」という厚かましいお願いをしたところ、快く次の2本を選んで頂けました。

先ずは桃を思わせる甘い香りにフレッシュな酸味が特徴的な「グレコ・ディ・トゥーフォ 2013」(希望小売価格2700円)。ミネラル感もしっかり感じられ様々な料理に合わせることが出来る、利便性の高い白ワインという印象のワインです。

「タウラージ ラディーチ リゼルヴァ 2006」(希望小売価格6000円)

「タウラージ ラディーチ リゼルヴァ 2006」(希望小売価格6000円)



さらにもう1本のおすすめは数々の国際的な評価を獲得した「タウラージ ラディーチ リゼルヴァ 2006」(希望小売価格6000円)。

繊細な風味でありながら、華やでエレガントな味わいの正しく極上の赤ワイン。ワイン好きだからこそ美味しいと言える味わいがそこにはあります。

◆フランス

ワインといえば、やはりフランス。
近年ニューワールドの台頭でやや影が薄くなりがちなフランスワインですが、ワインの歴史を一身に背負う伝統はやはり今も息づいています。

その中でもおすすめのワインは、先ずはロワール地方の「サンセール・レ・ロマン 白 2012」(希望小売価格3700円)。

「サンセール・レ・ロマン 白 2012」(希望小売価格3700円)

「サンセール・レ・ロマン 白 2012」(希望小売価格3700円)



サンセール村に広がる畑(土壌)を知り尽くした1742年創業のワイナリー、ドメーヌ・フアシェがビオディナミ的な手法を取り入れて葡萄を育て醸造したこのワインは、抜群のミネラル感と渋みと酸味のバランスの良い味わいが感じられます。「伝統と革新」が1本の瓶に詰まった、そんなワインと言えるでしょう。

さらにもう1本フランスブースで選んで頂いたのがドメーヌ・コワイヨ「ブルゴーニュ 赤 2012」(希望小売価格4450円)。

完熟した葡萄しか使わないという拘りの中で、葡萄の旨みがたっぷり感じられながらも、柔らかさもあるバランスの良い赤ワインです。

ジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネといった有名栽培地に隣接しながら決して有名とは言えなかったマルサネ村で、他に負けない存在感を示すドメーヌ・コワイヨのクリストフ・コワイヨ氏の情熱が詰まった1本がこの「ブルゴーニュ 赤 2012」なのです。

ドメーヌ・コワイヨ「ブルゴーニュ 赤 2012」(希望小売価格4450円)

ドメーヌ・コワイヨ「ブルゴーニュ 赤 2012」(希望小売価格4450円)



◆日本

最後にご紹介するのは日本のワインです。

国際的な評価も高まり「日本のワインを見直そう」という動きが国内においても活発な日本産ワインですが、その中でも今回の試飲会で注目の1本は勝沼醸造の「甲州テロワール・セレクション 金山 2012」(希望小売価格3400円)です。

勝沼醸造の甲州種のワインはかつてフードスタジアム九州でも「ごまさば・モツ鍋に合うワイン」として紹介したことがありますが、今回おすすめいただいた「金山」は勝沼地域の中でも火山灰質の土壌を持つ金山地区の甲州種のみをセレクトして醸造された1本。
癖がないが故に一本調子になりやすい甲州種のワインでありながら、折り重なるような豊かな香りに、しっかりとしたミネラル感とすっきりした酸味。それでいて厚みも感じられる甲州種のワインのイメージが覆ると言っても良い傑作にし上がっています。

このワインを通して日本産ワインの実力をぜひお確かめ下さい。

「甲州テロワール・セレクション 金山 2012」(希望小売価格3400円)

「甲州テロワール・セレクション 金山 2012」(希望小売価格3400円)



◆次回はぜひ会場でご試飲を!

最後に。

今回ご紹介させていただいたワインは当日展示されたワインの本の1部です。
「これだけじゃ分からん!もっと知りたい!!」という方はぜひ次回の試飲会に足を運ばれることをおすすめします。

会場でご自身の業態や料理に沿ってどんなワインが良いかをモトックスのスタッフの皆さんにご相談されれば、きっと自店のお客様が満足されるワインが見つかるはずですよ。

モトックスの試飲会、次回は秋開催予定です。
詳細につきましては、このフードスタジアム九州でも改めてご紹介いたします。

 




この記事のワインに関するお問い合わせ

(株)モトックス 西日本チーム
TEL:06-6723-3135(代)




【この記事のワインを仕入れられる店舗関係者の皆様へ】
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この記事をそのままスタッフに渡せば、新しいワインの知識を共有するテキストに使えます。ぜひお役立て下さい。



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