九州・山口の飲食店、レストランの新しい潮流を発信するビジネスサイト「フードスタジアム九州」

ヘッドライン

【話題店チェック】女子率高し!住吉酒販の角打ち


今、女性の間でじわじわと口コミになっている角打ちがある。

「パリのデパ地下にある店」をイメージした店舗デザイン

「パリのデパ地下にある店」をイメージした店舗デザイン



博多デイトス1Fの“みやげもん市場”に今年3月1日にオープンした「九州の酒と食 博多住吉酒販」がその店だ。 博多駅筑紫口すぐ横という立地らしく周囲は和菓子や雑貨屋などの、文字通り土産物を売る店が並ぶ。その一角にある落ち着いた佇まいの小さな店だが、店内奥には細長いカウンターが設置され、店頭にある「角打ちやっとります」の表記でそこで立ち飲みが出来ることが分かる。 店内に入り、立ち飲みの希望を伝えると渡されるのが10枚の花札。メニューを見るとそこには金額ではなくメニューごとに花札の枚数が記載されている。注文をするとその枚数分の花札を渡し、最後に使った花札を1枚300円として清算する仕組みだ。花札を持ち、酒を飲む。この、粋な遊び心を感じさせるスタイルが面白い。さらに「パリのデパ地下にある店」をイメージしたという店内は、和のテイストにあふれながらもモダンでナチュラルなテイストを感じるデザイン。確かに女性に人気なのも分かる。

 

 

小さいが落ち着いた雰囲気でお酒が楽しめる角打ちスペース

小さいが落ち着いた雰囲気でお酒が楽しめる角打ちスペース



営業時間は朝8時から。酒を飲むには早すぎる時間だが、それでも午前中から角打ちに来られるお客様は多く、新幹線のある駅の構内でもお客様は県外の人ばかりではなく地元の人も多い。しかも女性も普通に日中から角打ちを利用するという。 しかし、「女性のお客様は多いですよ」と言いつつ、特にそれを意識している様子もないのが同店を運営する住吉酒販有限会社の庄島健泰専務だ。「このお店で表現したかったのはただ商品としての酒を売るのではなく、酒を中心にした“楽しみ方の提案”です」と。その楽しみ方の提案の1つが花札を使った清算方法であり、あるいは同店の名物「イロハニ枡」の日本酒4種飲み比べセット(花札3枚)だ。   この「イロハニ枡」は枡の側面に「イロハニ」という表記を4面に入れることで、飲み比べしている酒が混同しないようにする仕掛け。

 


名物イロハニ枡の日本酒4種飲み比べセット。枡の横に焼印されたイロハニに注目。注文は花札と引き換えで行われる。

名物イロハニ枡の日本酒4種飲み比べセット。枡の横に焼印されたイロハニに注目。注文は花札と引き換えで行われる。



さらに、そこでチョイスする4種のお酒もフレッシュでフルーティーな味わいを基調にした“モダン”2種に、常温で美味しく音楽に例えるとブルースのような旨みが乗った“クラシック”2種がチョイスされる。 このモダンとクラシックの分類も住吉酒販オリジナルのもので、それをあえて2種ずつセットにするのは自分に合った酒を知ってもらうため仕掛けだ。 「角打ちはあくまでの試飲の場所で、商品を買ってもらうのが目的ですから」と庄島専務は屈託もなく笑う。 さらに同店ではお酒もつまみにも使っている食材も全て九州産で取り揃えている。 特につまみのクオリティは角打ちのお店とは思えないほど高い。例えば海士(あま)が作る無添加の「袈裟丸印 塩うに」や、あの東一の吟醸粕で鯨軟骨を漬けた「南極漬」

 


庄島専務が足を使って探した九州産の酒肴、「水いか塩辛」「南極漬」「袈裟丸印 塩うに」。極上の味わいだ。

庄島専務が足を使って探した九州産の酒肴、「水いか塩辛」「南極漬」「袈裟丸印 塩うに」。極上の味わいだ。



新鮮な水いかの内臓のみを使った「水いか塩辛」などの“酒肴”は、つまみとしてはこの上ない贅沢な美味しさを表現している。これらは全て庄島専務が足で探した九州の逸品だ。 もちろん酒も「東一」「美田」「庭のうぐいす」「山の壽」などの九州北部の日本酒に、宮崎・鹿児島の焼酎の数々、「都農ワイン」などの九州産のワインに、宮崎の「ひでじビール」などのクラフトビールも取り揃え、さらに角打ちで使われている器も佐賀県唐津市の陶芸家・中里太亀氏の隆太窯の焼き物を使っている。 まさに「九州の酒と食」と謳った看板に偽りのない内容だ。 この九州産へのこだわりは同店がオープンする以前からの住吉酒販としてのこだわり。福岡市内の飲食店の顧客へも5年前から「地元で地元のお酒を飲んでもらいましょう」と提案を続けている。「新潟や山形のお酒を福岡で出すのは、例えるならば助っ人外国人だらけの野球チームのようなものです。やはりベースは地元じゃないですか。だからこそ地元で地元のお酒を飲んでもらいたいと思っています」とは庄島専務。

 


同店で使われている器も九州産。佐賀・唐津市の「隆太窯」の器。

同店で使われている器も九州産。佐賀・唐津市の「隆太窯」の器。



 

前述の“モダン”“クラシック”といったお酒の分類も、九州のお酒を提案する過程で、顧客のお店の個性に合わせた提案をするために生まれたもの。   「地元のお酒をもっと好きになってもらいたいですね。私自身も九州の食材の勉強をもっとしたいです。そして九州の良い酒と良い食材と良い器を揃えて、酒を中心にした九州の食文化の発信をしていきたいと思っています」と庄島専務は自身の想いを語ってくれた。 最後に同店で売れている日本酒と焼酎のラインナップを庄島専務にお聞きした。

 


住吉酒販有限会社専務・庄島健泰氏。「酒を中心にした食文化を発信したい」

住吉酒販有限会社専務・庄島健泰氏。「酒を中心にした食文化を発信したい」



「日本酒はモダンタイプの『田中六五』『東一』『山の壽』、クラシックタイプは『天吹』『鷹来屋』です。焼酎は『甕雫 玄』が一番人気ですよ」 九州の飲食店の皆様も九州の酒を再評価してみませんか?もしかすると素晴らしいお宝が足元に転がっているかもしれませんよ。

店舗データ

店名 九州の酒と食 博多住吉酒販
住所 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多デイトス 1F
アクセス 博多駅構内筑紫口すぐ横の“みやげもん市場”内
電話 0827-82-3115
営業時間 8:00~21:00
定休日 無休
運営会社 住友酒販有限会社 代表庄島 真一

 >> 大きな地図を見る

ヘッドライン一覧トップへ


;