九州・山口の飲食店、レストランの新しい潮流を発信するビジネスサイト「フードスタジアム九州」

Title:九州・沖縄の外食産業上位50社の合計売上高、過去最高を更新

帝国データバンク福岡支店は九州・沖縄に本社を置く外食産業の2017年度の売上高ランキングを発表した。上位50社の売上高は4926億2200万円で過去最高を更新した。前年度調査に比べて1.9%の増加。ランキング1位は「ほっともっと」などを展開する(株)プレナス(東証一部、福岡市)で、15年連続のトップだった。詳しくはこちら

Title:渋谷区神泉町の人気店「かしわビストロバンバン」が福岡市中央区今泉にオープン

しっとりとしたシラスがたっぷりとのった水菜サラダのお通し。女性客から特に人気が高い。200円でおかわりができる
#カルパッチョ盛り合わせ
ささみ、ムネ、モモの3つの部位を味わえる「さつま知覧鶏のカルパッチョ盛り合わせ」(780円)。大葉が香るしょう油ベースのソースをかけて
名物「地鶏のかしわ焼き」(880円)は新鮮な「はかた地鶏」をレアに焼き上げる。カレー風味の「たれ」、バジルソース付きの「塩」、スパイシーな「アボカド」の3種
〆の一品にジャンル分けされた「リゾットカレー」(880円)はオーダー率90%以上。濃厚なチーズリゾットにスパイスのきいたトマトソースがマッチ
ふんわりとしたレバームースをキャラメリゼした「白レバーのなめらかレバームース~バゲット添え~」(480円)はバゲットにたっぷりのせて
カレー粉とマヨネーズで和えた千切りのたくあんをのせた「バンバンオリジナルポテトサラダ」(380円)は異色の組み合わせが見事にマッチ
周辺にはイタリアンやスパニッシュなど各国料理のレストランが並ぶ。食ツウの大人が集うエリアに期待が集まる
オーナーの高城直弥さん

福岡市中央区今泉。西鉄福岡駅から徒歩5分のエリアに2017年10月5日、「かしわビストロ バンバン」がオープンした。イタリアンベースの鶏料理をメインとした約30種のフードメニューを平均価格帯680円でラインナップし、ビール、ハイボールの他、約26種のワインを取り揃えている。

オーナーは株式会社サムライフードカンパニーの代表・高城直弥氏。東京都渋谷区で2軒の飲食店を経営する。高城氏はホテルや船上レストランでの勤務を経て、2008年4月に「世田谷BAL」で独立開業。わずか4坪の立ち飲みバルはたちまち繫盛し、月商200万円をたたき出した。その後、「リゾットカレースタンダード」をオープン。修業時代に食べていたまかないをヒントに考案したオリジナルメニュー「リゾットカレー」はミシュランで2つ星を獲得した。3店舗目となる渋谷区神谷町の「かしわビストロ バンバン」は15坪50席で月商900万円を越える繫盛店となった。

滋賀県出身で、東京が事業拠点の高城氏がなぜ九州に出店を決めたのか。それは人との出会いが大きな影響を与えた。「神泉町の店舗には福岡からストアコンパリゾンに来る方が多かったんです。『福岡の人は感度が高い』と聞いて、それならば自分も行かなくてはと2016年に初めて福岡を訪れました」と高城氏は微笑む。その人好きのする性格は福岡の飲食店経営者から愛され、人脈がみるみるうちに広がった。

自然と「いつかは福岡に出店したい」と考えるようになり、空き物件を探し始めた。「出店するのは天神の中心地にしたいと思っていましたから、物件が見つかるまで1年は覚悟していました」と当時を振り返る。ところが、予想に反して2017年4月には不動産会社から情報が届き、高城氏はすぐに出店を決めた。「駅から近いけれど、ちょっと奥に入っている。雰囲気が神泉町と似ていて“艶がある”と感じたんです」

メニューは、「はかた地鶏」を使った「名物 かしわ焼き」(880円)や「さつま知覧鶏のカルパッチョ盛り合わせ」(780円)、「イタリア産カラスミがけ地鶏ささみのレアフリット」(880円)など鶏料理を看板メニューに掲げる。

ドリンクは「超炭酸ハイボール」(450円)と「バンバンの超炭酸レモンサワー」(500円)などレモンサワーとハイボールは全品プラス250円で2倍サイズの大ジョッキに変更できる。グラスワイン8種(500円~)に、ボトルワインは3000円をボトムラインに26種をラインナップ。

店内は厨房を囲むカウンター9席にテーブル席31、合計40席。神泉店の内装を手がけた女性デザイナーに依頼し、コンクリートの壁面にネイビーのタイル、古材でつくったダークウッドのテーブルやアイアンの装飾といった都会的なデザインに仕上げた。

オープンから2週間、満席が続き幸先の良いスタートに見えたが、高城氏は開店からわずか2週間で価格の見直しをしたという。「何人かの方に『福岡でこの値段はちょっと高い』と助言をいただいたんです。東京と同じ価格設定にしていたのですが『家賃が違うでしょう』と指摘されてその通りだな、と。それからすぐにメニューを変更しました」

当初は客単価3800円を想定していたが、ポーションを小さくしたり、ドリンクの価格を見直したりとできる限りの低価格化にチャレンジ。その結果、客単価は3500円に落ち着いた。「価格改定後は帰っていくお客さまの満足度が高いような気がしています。利益率を下げても店のことを知っていただいて、ファンになっていただければ」と謙虚な姿勢を崩さない高城氏。今泉店が軌道に乗れば別業態での出店も視野に入れているという。次に狙うのはグルメな大人たちが集う春吉エリアか、それともビジネスパーソンが集まる博多エリアか。今後の動きに注目したい。

店舗データ

店名 かしわビストロ バンバン 今泉店
住所 福岡市中央区今泉1-3-1 tyビル今泉
アクセス 西鉄福岡駅から徒歩5分、西鉄薬院駅から徒歩8分
電話 092-519-8092
営業時間 17:30〜24:00(L.O23:00)、土日祝17:00〜
定休日 不定
坪数客数 14.55坪・40席(うちカウンター9席)
客単価 3500円

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Title:「株式会社COMATSU」が博多駅徒歩3分の好立地に新店舗「地下のニューコマツ」をオープン 福岡市内で6店舗目

飲食店が立ち並ぶ「はかた近代ビル」の地下1階にある「地下のニューコマツ」
地下のニューコマツ。カウンター席はバルスタイル
博多駅にある「ニューコマツ」
名物「だるまハイボール」(399円)とお通し
「タコと青唐辛子のポテサラ」(330円)
「仔羊の焼きパテ・ド・カンパーニュ」(780円)
COMATSU代表の松村氏。

商業施設や飲食店の開業が相次ぐ博多駅エリア。2017年9月13日、福岡市内に6店舗を展開する株式会社COMATSU代表・松村宗孝氏は、博多駅前に新店舗「地下のニューコマツ」をオープンした。築50年近い古い雑居ビルの地下ではあるが、博多駅南側にある筑紫口から徒歩3分の好立地。店舗面積18坪のうち約4.5坪がキッチンを占めるこの店舗には、実は大きな役割があった。

その2カ月前の今年7月、博多駅内にある立ち飲みエリア「ほろ酔い通り」に「ニューコマツ」をオープン。10坪のスペースは昼夜を問わず立ち飲み客でにぎわい、スタンディングだと最大約40名収容。月商約1000万円という脅威の繁盛店である。限られたスペースだけに調理に必要なキッチンスペースが確保できない。そこで登場するのが「地下のニューコマツ」だ。

「駅ビルでの開店準備中に舞い込んできたのが『はかた近代ビル』賃貸の話です。博多駅エリアにしては破格の家賃で、内見に行ってみると、古いビル独特のあやしい雰囲気に一目惚れしました。当初はセントラルキッチンとして使う予定で契約を決めたんです」と松村氏。

1階はコンビニ、2階以上はオフィス、地下は飲食街というユニークな物件。実際に入居してからしばらくはキッチンとして機能させていたが、「おもしろい立地なので、ここで商売をしたらどうなるだろうと興味本位で」と、急遽客席スペースを設け営業をスタートする運びとなった。

松村氏はアパレル業界を経て飲食業に転職し、地元大手の飲食グループ「小野グループ」に入社。2011年に独立して洋食ダイニング「COMATSU kitchen&bar」を開店した。店を構えたのは福岡市の中心部・天神からすぐの繁華街・大名。2号店以降も天神周辺に出店したが、雑居ビル、飲食ビル、ホテルレストランとロケーションはさまざまだ。馴染みのある天神地区から博多エリアへ。「駅ビルや商業施設への出店はまったく考えていませんでした。物件あっせん業者の熱意に胸を打たれて出店を前向きに検討するようになったんです」と、出店のきっかけを振り返る。

出店先はビジネスパーソンや旅行客など、幅広い世代がターゲットとなる博多駅ビル内の「ほろ酔い通り」。得意の洋食と居酒屋風の一品料理。昭和世代を意識したドリンクメニュー。新旧の”良いとこ取り”をした新店舗の屋号を「ニューコマツ」と掲げ、既存の系列店にはないハイブリッド業態で新しい商圏へ挑戦を挑んだ。

クラッシュアイスを入れた「かち割りスパークリングワイン」(450円)、「ザ・サントリーオールド」を使う「だるまハイボール」、芋焼酎をソーダで割った「イモパンチ」(ともに399円、メガサイズ699円)など、中高年のサラリーマン層を狙ったドリンクメニューを展開。フードには「糸島産ムール貝の白ワイン蒸し」(680円)や「仔羊の焼きパテ・ド・カンパーニュ」(780円)など同店が得意とする洋食ベースの創作料理に加え、ハイボールと唐揚げの「ハイカラセット」(500円)や「牛モツの塩煮込み」(580円)、「肉豆腐 温玉のせ」(580円)など、居酒屋を思わせる和食もラインナップする。

「地下のニューコマツ」では「ニューコマツ」のメニューをベースに、「おばんざい」をテーマにした日替わり料理を用意。客単価は2000円程度で月商300~350万円を見込む。開店前の客単価予想は1500円という松村氏にとっては“嬉しい誤算”となりそうだ。セントラルキッチンを兼ねた地下の繁盛店の動向から今後も目が離せない。

店舗データ

店名 地下のニューコマツ
住所 福岡市博多区博多駅東1-1-33 はかた近代ビル地下1F
アクセス JR・地下鉄博多駅から徒歩3分
電話 092-409-6833
営業時間 17:00~23:30(L.O.23:00)
定休日 日曜
坪数客数 18坪・28席(うちカウンター6席)
客単価 2200円

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Title:【ニューオープン】大阪の人気店「(食)ましか」が福岡にオープン

飲食店が軒を連ねる「上人橋通り」の路地裏。今後どう賑わっていくのか注目だ
店内のワインセラーには今尾氏が厳選したワインが並ぶ
「トリュフのタヤリン あさりバタークリームソース」(1800円)。濃厚なソースに自家製の手打ち麺が絡む。仕上げに散らしたトリュフとチーズの香りが食欲をそそる
「タンドリーチキンカツwithタルタル」(500円)。タンドリーソースに漬けこんだチキンをカラッと揚げた一品
福岡に移住したという今尾氏

福岡市中央区警固。飲食店が建ち並ぶ上人橋通りの路地裏に9月1日、居酒屋風ワインバー「(食)ましか 福岡本店」がオープンした。約100種の自然派ワインと創作イタリアンのメニューを取り揃えている。

手がけるのは大阪市西区江戸堀で「(食)ましか」を経営するオーナー・今尾真佐一氏だ。今尾氏は大阪の酒屋「小松屋」に11年務め、シニアワインソムリエの資格を取得。2011年9月に「(食)ましか」を立ち上げた。コンセプトは「Platform of “EAT”(食のプラットフォーム)」。店を通じて様々な人が集まる場所を目指して始まったこの店は、タバコ店の様相で居酒屋風のイタリアン料理を提供するほか、サンドイッチの販売をするなどといった珍しい営業スタイルでたちまち話題を集めた。15坪40席の店内はいつも満席で、昨年は「(食)ましかの本」(京阪神エルマガジン社)が発行されたほど多くの人を虜にしている。そんな大阪の人気店が、満を持して福岡に上陸したのだ。

「大阪の店はスタッフも育って安定してきたので、二号店を開きたいという気持ちが常にありました。ワインの仕込みやイベントで日本各地をまわっているなかで、福岡が最適なんじゃないかと思ったんです」と、今尾氏。1年弱の期間を経てようやくオープンにこぎつけた。「居酒屋の数も多いし、酒飲みの人も多い。飲食店街の勢いは大阪に似ている部分があると感じます」。しかし「(食)ましか 福岡本店」がオープンした場所は上人橋通りの“路地裏”である。なぜあえてひっそりとした場所を選んだのか。今尾氏は「一歩表に出たら賑やかですけど、路地裏は静かですよね。だからこそ、盛り上げていきたいと思ったんです。福岡の人たちにどう受け入れてもらえるか、今から楽しみですね」と朗らかに笑った。

メニューは「トリュフのタヤリン あさりバタークリームソース」や「おかんのメンチカツ」など大阪でも人気があるものを13品ピックアップ。料理に使う素材やワインはできるだけ関西から仕入れている。「県外から来た自分にできるのは、大阪の良いものを持ってきてみなさんに楽しんでいただくことだと思っています。もちろん、福岡にも魅力的なものがたくさんあるので、今度はそれを大阪に伝えていきたいなとも考えているんです」。

ドリンクは「本日の生ビール」(500円~)や「ましかのハイボール」(500円)をはじめ、グラスワイン、ボトルワインなどを豊富にそろえる。フードは小ポーションも用意し、待ち合わせまでのちょっとした空き時間や飲み会の二軒目として気軽に楽しめる設計にした。

店内は厨房をコの字に囲うカウンター席のみ。大阪の店と比べると3分の1の規模でスタートした「(食)ましか 福岡本店」。一人でキッチンと接客を担う今尾氏の気概溢れるその姿に「この地で挑戦したい」という力強いメッセージを感じた。

隣には福岡の炉端ブームを牽引してきた「炉端 百式」の二号店が建設中だ。店舗が完成したら、壁をぶち抜いて窓を作り、隣接する店同士で商品の行き来ができるようにする予定だという。まさに今尾氏が目指す「Platform of “EAT”」が実現する日もそう遠くない。

店舗データ

店名 (食)ましか 福岡本店
住所 福岡市中央区警固1-6-4 KENT KEGO-B
アクセス 西鉄福岡(天神)駅から徒歩10分
電話 070-5344-4455
営業時間 17:00~24:00
定休日 不定
坪数客数 5坪20席
客単価 2500円

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