九州・山口の飲食店、レストランの新しい潮流を発信するビジネスサイト「フードスタジアム九州」

編集長コラム

【COLUMN Vo.15】お客様に意味のあるお店を


以前、他業種から飲食店に参入されたある経営者の方とお話をしている中で、こんな言葉をお聞きしました。

「飲食店というのは”待ち”の業種なんだね」

確かに、その方が本業とされる業種は営業職が外回りをしながらお客様を掴まえて来ることで売り上げが成立していました。
そのような業種を経験されているとお客様のご来店を待つ要素の強い飲食店から”待ち”という印象を持つのは当たり前かもしれません。

しかし、飲食業をしっかり取り組んでいる経営者の方々はご存じだろうと思います。
飲食店は決して”待ち”の業種ではありません。

実際、飲食店でお客様にどうやって来て頂くかを考えずにお店をやられる人は少ないと思います。
(というか、少ないと思いたいです)

集客という観点で言うならば、飲食店でお客様が目に触れ、舌で味わい、その体感で得られる物のすべては

①新しいお客様にどうご来店頂くか?
②来て頂いたお客様にどうリピートしていただくか?

この2点だけに集約されていると言っても過言ではありません。

逆に、この2点に全てが集約されているお店はお客様から見ても「ここは自分たちにとって意味のあるお店」と感じてもらえる店になっていると思います。

その店がどのような立地にあり、どのような外観やサイン等でその店をアピールし、どのような業態でお客様の用途に合わせ、どのようなメニューでお客様の笑顔と話題性を作るのか?
あるいはどのような内観・雰囲気でお客様にその時間を過ごして頂き、どのようなサービスを行うことでお客様を魅了するのか?

食べログで例えば「福岡市」というキーワードで飲食店を検索すると、そこで出てくるのは14053件という店舗数です。

福岡市で1万を超えるお店の中から自店を選んでもらう。

そのためにすべきことは山のようにあり、同時にその山のようにある行動をすべて「お客様にご来店頂くため」に集約していく必要がある。

飲食店は決して待ちの業種ではありません。

もちろんそれは、実際に飲食店を経営されている方にしてみれば「そんなことは分かっている」ことかもしれません。

ただし、もし自店の売上が伸び悩む方がいらっしゃれば、もう1度自店の今の姿を客観的に見られてみれは如何でしょうか?

お客様にご来店頂くということは決して簡単なことではないと思います。

そこですべきことは山のようにあり、同時にそれを全て行うことはとても大変なことだとも思います。

そうであっても、お客様は自分たちにとって意味のあるお店は決して無視はしないと思います。

もしかするとそう思うのは私の思考が単純だからかもしれません。

だとしても、お客様にとって意味のあるお店がもっともっと増えて欲しいな、と私は思っています。

 

 




島瀬武彦島瀬モノクロ横
1971年7月20日生まれ。山口県山口市出身。学習院大学フランス文学科中退後、家業の喫茶店の2代目として飲食店経営に関わる。山口県山口市徳地という山の中の田舎の立地に苦戦する中で、神田昌典氏が主宰する「顧客獲得実践会」に参加。通販業界が使うダイレクトレスポンスマーケティングの手法を飲食店の集客に応用することで売上を劇的に改善。2004年よりマーケティング・戦略コンサルタントとして活動。2014年よりフードスタジアム九州編集長を務める。

編集長コラム一覧トップへ


;