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編集長コラム

【COLUMN Vo.9】頑張っても売上が作れない時代がやってくる


さて、今日は少し統計的な話を書きましょう。

これをお読みの皆様は、現在福岡市の人口が何人かご存知でしょうか?

おそらく多くの人が「福岡市は150万都市」と思われていると思いますが、福岡市が出している平成26年12月1日現在の最新の人口統計は1,521,497人となっています。

しかし、この人口の将来の推移予想をご存知の方は少ないかもしれません。

福岡市が発表した「福岡市の将来人口推計について」という資料があります。

それによると2010年に146万人だった福岡市の人口はこの5年で急激な伸びを見せ、現在は152万人となっていますが、その後は微増を続け2035年には160万6千人となりピークを迎え、その後減少に転じると予想されています。

その予想だけを見ると「福岡市はまだまだ人口が増えるんだな」という認識しか生まれませんが、実はこの将来人口推計の年齢別を見ると違う視点が生まれます。

人口そのものは2035年まで増加し続けますが、年齢別人口のうち消費力の高い15歳から64歳までの人口のピークは2015年となっています。つまり来年がピークなのです。
逆に増えるのは65歳以上の高齢者層。

これは何を意味するかというと、人口自体は増えるけれど消費人口は来年をピークに減少する方向になり、翻ってみると福岡市内の消費全体が2015年をピークに減少する可能性が高いことを意味します。

(興味のある方はこちらをご覧ください。
「福岡市の将来人口推計について」
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/33886/1/suikeikekka.pdf )

人口=消費市場規模と捉えるのは、実際はそんなに単純なものではありませんが、しかしある程度の目安にはなります。

そして、消費人口が減ることで何が起こるのか?というと、単純に今までと同じように頑張った場合、同じやり方で頑張れば頑張るほど苦しくなるという現象が起きます。

今まで通り頑張っているのに売上が伸びない、もしくは売上が確保できないという現象が起こり始めます。

「本当か?」と思われた方は、すでに人口減少=市場規模減少を経験している地方の中小規模の街で商売をされている人達に話を聞くと良く分かると思います。
福岡市は現在まだ人口増加の中にいますが、地方の小さな町はすでに人口減少の波に直面しています。

人が減ると市場規模が減り競争が激化し、大手資本に負ける中小企業が続出します。
地方都市へ行くと目立った飲食店が少なく、殆どがファミレスやFCなどのチェーン系に市場をさらわれている事実は、単純に地方の商売人の努力が足らないというだけではない別の現実があります。

その中でも地方でありながら頑張っている飲食店には共通点があります。
それは自店の商圏範囲を大きく捉えていること。

「地域密着が小さなお店の生き残る道」と言われている中で逆行するようですが、実際は地域密着を捨てた店が伸びているのが地方の飲食店の現実だろうと思います。

要はそれらのお店は自店のお客様がどんな人達なのかを再定義し、今までのとは違う市場感覚で商売を組み直した結果が自店の売り上げ確保に繋がっていると言えるのです。

福岡市もおそらくそうなります。

地方のように急激な変化は訪れないかもしれませんが、これから10年・20年でじわじわと今と同じ市場感覚では商売が厳しくなっていく可能性が高くあります。

では、福岡市の飲食店がこれから意識すべきことは何か?

それは、地元のお客様だけではなく外からの移動人口にも着目し、外からのお客様にも充分「良いお店だ」と言って頂ける店を作ることです。

関東・関西といった国内のお客様だけではなく、海外のお客様も視野に入れて。

フードスタジアム九州は創刊時に「マニフェスト8カ条」を掲げ「九州に観光客を集めるための基盤作りを行います」と宣言しました。

なぜ観光客なのか?

その答えは、これからの福岡市の状況を考えるならば、そうすべき切実な理由があるからです。

 

今までのやり方がそのままでは通用しなくなる時代がもう目の前に来ているのです。

 




島瀬武彦島瀬モノクロ横

1971年7月20日生まれ。山口県山口市出身。学習院大学フランス文学科中退後、家業の喫茶店の2代目として飲食店経営に関わる。山口県山口市徳地という山の中の田舎の立地に苦戦する中で、神田昌典氏が主宰する「顧客獲得実践会」に参加。通販業界が使うダイレクトレスポンスマーケティングの手法を飲食店の集客に応用することで売上を劇的に改善。2004年よりマーケティング・戦略コンサルタントとして活動。2014年よりフードスタジアム九州編集長を務める。

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