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編集長コラム

【COLUMN Vo.8】お客様を基準にすれば意味のない競争は生まれない


今日は山口にいます。

直接お会いした方にはお話しする機会もありましたが、私は今、山口と福岡を行ったり来たりしながら仕事をしています。

今日の山口は夕方過ぎから雪が降っています。

夜の暗い空から降る白い雪は、とても綺麗です。
さて、今日は昔。インターネットコンサルをしていた知人から聞いた話を書きましょう。

その知人があるネットショップのコンサルを依頼されて状況を聞いたところ
「価格競争が始まって大変です」
という話を聞きました。
同じ商材を扱う競合のB社がどんどん値段を下げて行く。競争に勝とうと思うならばこちらも少しでもB社よりも値段を安くする必要がある。
しかし値段が安くなりすぎて今では利益が出なくなり始めて大変だというのです。

その話を聞いて知人は首をかしげました。
それというのもその会社の扱っている商材もB社が扱っている商材は価格競争が起きるほど市場が飽和しているように見えなかったからです。

そこで調べてみると分かったことが、価格競争は実はこの会社とB社との間だけで起こっていたということ。

ある日、その会社の経営者がB社のHPを見ると値段が少し下がって自社の価格よりも下に来ていたのを見つけました。
そこですぐに価格をB社のものより下げたところ、すぐにB社も値段を下げてきた。
さらにそれを見て値段を下げるの繰り返し。

つまりお互い相手のHPに出ている値段だけを根拠に価格競争を勝手に始めてしまったのです。

お客様を置き去りにして、です。

笑い話のようなエピソードですが、実は同じような話はどこにでも転がっています。

飲食の世界でも似たようなことは起こっていますね。

同じエリアのお店同士がメニューやデザインや企画をパクリ合うことが日常茶飯事のこの世界です。

あるいは同じエリアでなくとも、ちょっと目立った繁盛店が生まれると、その店のメニューに良く似たものが至る所に溢れる。

繁盛店の行っていることを上手く消化して、自社の店舗に組みいれるならまだしも、お店の個性など関係なくそのままやってしまう例も良く見ます。

しかし、そういったことが起こることを「なぜ」と言っても仕方ないかもしれません。
それよりも大事なことを私達は忘れては行けません。

飲食店が相手しているのは、同業他社ではなく、お客様だということ。

自分のお店のお客様にとって意味のあることならばやればいいし、意味のないことはやる必要はない。

それだけのことです。

同業他社がどうであるかより、お客様にとって意味があるかないかを考えた方が、ずっと建設的だと思います。

そして何よりもお客様を基準にするならば、そこに意味のない競争は生まれないと思います。

 

 




島瀬武彦島瀬モノクロ横

1971年7月20日生まれ。山口県山口市出身。学習院大学フランス文学科中退後、家業の喫茶店の2代目として飲食店経営に関わる。山口県山口市徳地という山の中の田舎の立地に苦戦する中で、神田昌典氏が主宰する「顧客獲得実践会」に参加。通販業界が使うダイレクトレスポンスマーケティングの手法を飲食店の集客に応用することで売上を劇的に改善。2004年よりマーケティング・戦略コンサルタントとして活動。2014年よりフードスタジアム九州編集長を務める。

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