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福岡市の天神南駅そばに鶏焼売専門店「焼売酒場いしい」が登場!大名の人気店「ミヤビ」「ツクネスタンダード」運営のドラマティックが新業態でさらなる展開に拍車

白い提灯と暖簾で来店客を迎える「焼売酒場いしい」の入り口。川に面したガラス張りの外観で開放感を演出している
屋台をイメージしたというカジュアルな店内。カウンターやスタンディング、テーブル席など座席のオプションも幅広い
あっさりとしていながら食べ応えのある食感を追求した「鶏焼売」。せいろの蓋を開けると食欲をそそる蒸気が広がる
鶏ミンチを使った優しい辛味の「白麻婆豆腐」は人気メニューの一つだ
「焼売酒場いしい」を運営するドラマティック代表取締役の石井克典氏

福岡の中心街・天神を南北に走る渡辺通りから道を折れてすぐの川沿いに「焼酎酒場いしい」が昨年7月2日にオープンした。大きな白い提灯が掲げられた入り口の白い暖簾をくぐると、オープンキッチンに立ち込める蒸気の中で蒸されているのは真っ白な鶏焼売だ。鶏焼売と揚げ鶏焼売の2種を軸に、客単価2500円という手頃感を重視した。運営するドラマティック(福岡市)の代表取締役、石井克典氏は「焼売を嫌いな人って、ほとんどいない。実は隠れた食文化なんじゃないかと思うんです」と声を弾ませる。九州はもちろん、全国的にも焼売専門の飲食店は多くない。石井氏は専門店や中華料理店など全国20店以上を食べ歩き、開業を決めた。それも豚ではなく「鶏」の焼売専門店という「尖った」業態だ。

注文から配膳までテンポ良く

鶏肉にこだわる理由は、意外にも「あっさりとして食べやすいから」とシンプルだ。食べ慣れた豚肉での試作を重ねていたが、「数を食べてもらうには鶏肉の方が良い」と開店2ヶ月ほど前に「鶏焼売」に決めたという。鶏肉の形が残るミンチと液体状のミンチの2種類をブレンドさせることで、ジューシーでありながら食べ応えもある食感を実現。蒸すことで引き立つという玉ねぎの甘みもブレンドミンチの餡の旨味に絡む。 焼売の皮は「ゆるめの餡を包むための限界に挑戦した薄さ」という厚さ1ミリ以下の特注品を使用。飽きずに数を食べてもらうための工夫でもある。蒸し時間は約7分と短いため、注文から配膳までのテンポも良い。「すぐにお出しできるので、ドリンクと一緒に焼売の注文も伺っています」と石井氏。

上限価格480円で高い満足感

料理の価格は上限480円とし、お通しは出さず、客単価は平均2500円に抑えた。せいろで運ばれてくる「鶏焼売」は1個90円(注文は2個から)、焼売の餡を春巻きの皮で包んで揚げた「揚げ鶏焼売」は1本180円。他にも「鶏もつ煮込み」(420円)や「ニラ玉」(320円)、「アジフライとらっきょタルタル」(250円)、鶏ミンチを生かした「白麻婆豆腐」(480円)や「鶏そぼろ飯」(320円)など、つまみから〆まで30品以上をラインナップ。ドリンクは超炭酸ハイボールや超炭酸サワーのシリーズを豊富に揃えた。冷凍カットレモンを豪快に詰め込んだ「アイスレモンハイボール」(480円)と「アイスレモンサワー」(同)は、いずれも「中おかわり」(250円)をハイボールとサワーで入れ替えることもでき、お得感をアップさせている。

鶏焼売は持ち帰りもでき(8個1セット、720円)、パッケージに「帰りが遅くなってごめんなさい!」「いつもありがとう」など4種類のメッセージを添えられる遊び心も忘れない。

店内は屋台をイメージさせるカジュアルな内装。石井氏は客層について「100%サラリーマンのイメージだったけれど、今のところは圧倒的に女性が多い」と驚く。最近では「女性を連れて行きやすい」という男性客や近隣の家族客なども増えてきているという。系列の2店にはないハッピーアワーも午後4時の開店から2時間実施し、「生ビール」(450円→255円)、「ハイボール」(350円→175円)で提供している。オープンから8ヶ月たった現在の平均回転数は3.5回だが、石井氏は「最低5回は回したい」と意気込む。

さらなる飛躍と挑戦の足場に

ドラマティックが手がける大名の「肉菜炭火屋 ミヤビ 」(2015年6月開店)は木箱から選ぶ和牛の炭火焼と、博多和牛の野菜巻きが主力メニュー。日本酒も常時15種程度を揃える。同じビル2階の「博多ねりもん屋 ツクネスタンダード」(2017年6月開店)は、焼き鳥店では定番だけれど主役の座には遠い存在である「つくね」を「スタンダードにしよう!」との心意気でオープン。人気の26種の創作つくねは「もともとはメインメニューではなかったけれど「インスタ映え」で広がったとか。両店とも県外から訪れる若い女性客も多く、目的店としての力を十二分に発揮している。最新店の焼売専門店はドラマティックにとって、さらなる挑戦と飛躍の足場としての位置付けだ。その決意は「いしい」という石井氏自らの名を掲げた店名からも感じられる。

「人材が充実してきた」(石井氏)というファクターも加わり、ドラマティックはさらなる展開へと動き始めている。同社は現在、和牛野菜巻き専門店を博多駅周辺に、またホルモン鉄板の出店も福岡市内の「駅チカ」エリアで計画中だ。石井氏はさらに、「焼売酒場いしい」の東京や大阪でのフランチャイズ展開やセントラルキッチン開設に向けての準備にも奔走している。「今年の10月までには東京でモデル店舗をつくりたい」と石井氏。九州は「もちろんここだけ」とあくまでも「焼売酒場いしい」の唯一の「元祖」であり続けるようだ。実は「鶏焼売」を土産物として売り出していく構想も温めているという。「いしいの焼売」をデパートで、駅で、空港で手に取る日も近いかもしれない。

(取材=港そら)

店舗データ

店名 焼売酒場いしい
住所 福岡市中央区渡辺通5-20-6 CASVITENJIN 1F
アクセス 福岡市営地下鉄七隈線天神南駅徒歩1分、西鉄福岡・天神駅徒歩3分
電話 092-406-4104
営業時間 16:00〜24時
定休日 なし
坪数客数 16坪50席(カウンター14席、スタンディング16席、テーブル16〜24席)
客単価 2500円
運営会社 株式会社ドラマティック
オープン日 2018年7月2日
関連リンク 焼売酒場いしい
関連リンク 肉菜炭火屋 ミヤビ
関連リンク 博多ねりもん屋 ツクネスタンダード

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