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FISHMAN MEETS MOTTOX 博多名物ごまサバ・もつ鍋に合うワイン!勝沼醸造 甲州テロワール


■生の魚に合うワインはあるのか?

福岡市中央区今泉にある「魚男(フィッシュマン)」の店長大畠は、店に置くワインに悩んでいた。

魚男はエンターテイメント性の高い演出と九州産素材にこだわった料理で人気の居酒屋だが、特に長浜市場直送の鮮度の高い魚をウリにしているだけにワインのチョイスが難しい。
魚には辛口の白ワインというチョイスが定番とは言え、それはあくまでも煮魚や焼き魚に言えること。刺身などの生の魚とワインを合わせると生臭さが出てしまうことがあり美味しいとは言えないことも多い。
それを抑えようとするならば酢を効かせるか、レモンを絞るかをすると幾らかは良くなる。
しかしそれは酢の物であったりカルパッチョであったりで、刺身とは言えない。
刺身の中でもサバなどの青魚とワインと相性は特に良くない。
そうすると博多名物のごまサバなどはワインに合いにくい料理の最もたるものであろう。

福岡市中央区今泉の魚男(フィッシュマン)が提供している「長崎 活ごまさば」

福岡市中央区今泉の魚男(フィッシュマン)が提供している「長崎 活ごまさば」



これは、魚男だけではなく鮮魚をウリにした福岡の居酒屋ではどこにも当てはまる共通した悩みかもしれない。

もちろん、合わないものを無理に合わす必要はなく、焼酎か日本酒で楽しめばいいのも確かだ。

しかし、もし刺身などの生の魚に合うワインがあるのならば、そこには新しいワインの可能性が開ける。

ワインと和食のマリアージュの幅が広がるのだ。

■生魚とワインの意外な関係

そもそもなぜ生の魚とワインの相性が悪いのか?

それはワインの原料となるブドウが育成される過程で土壌より栄養と共に吸い上げられる鉄イオンが大きく影響している。

魚介類にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と呼ばれる脂肪酸が存在しているが、その脂肪酸が酸化することで過酸化脂肪質となる。
その過酸化脂肪質とワインに多く含まれる「鉄(Ⅱ)イオン(Fe2+)」と呼ばれる鉄イオンが反応することで、生臭い味が生まれてしまうのだ。

DHAやEPAは青魚に多く含まれる成分。
つまり、ごまサバがワインに合いにくい理由はここにあるわけだ。

“棚仕立て”と言われる栽培方法で鉄分の含有が少ない勝沼の甲州種

“棚仕立て”と言われる栽培方法で鉄分の含有が少ない勝沼の甲州種



■答えは日本産ワインにあった!

それでもごまサバや刺身に合うワインはないのだろうか?
その疑問を国内有数のワインインポーターである(株)モトックスの西日本チームにぶつけたところ、意外な答えが返ってきた。
生の魚に合わせても美味しいワインが、実は日本産のワインの中にあるというのだ。

そのワインとは山梨県甲州市の勝沼醸造が造る辛口の白ワイン「甲州テロワール・セレクション大和」(希望小売価格2400円)。
「甲州テロワール・セレクション大和」が刺身やごまサバに合う理由は勝沼で栽培される甲州種と呼ばれるブドウの栽培方法にある。
甲州種は“棚仕立て”と呼ばれるブドウの房と地面との間に距離を取る栽培方法が採られているが、これにより地中からの鉄分の吸い上げや、鉄分が含まれた土埃の付着が抑えられブドウの実そのものに鉄分の含有が極めて少ない状態で育てられる。

ごまサバに合う白ワイン「甲州テロワール・セレクション大和」(希望小売価格2400円)

ごまサバに合う白ワイン「甲州テロワール・セレクション大和」(希望小売価格2400円)



つまり、甲州種には生臭さの原因となっている鉄イオン自体の含有率が小さく、ごまサバに多く含まれる過酸化脂肪質との反応が起こらないワインが生まれるのだ。

もちろん勝沼醸造のワインそのものも決して質が低いものではない。

過去には甲州種は「瑞々しいけど味わいが水っぽく、酸や苦味などのテクスチャーが少ない」と言われていたが、長年の栽培方法の研究の結果により品質が向上し、今ではO.I.V(Office International de la vigne et du vin:国際ぶどう・ぶどう酒機構)にも認められる国際的な評価を得たブドウ品種となっている。

その中でも「甲州テロワール・セレクション大和」は甲州市大和町(旧大和村)地域で育てられた甲州種のみを使い、キリッとして透明感があり、同時に輪郭のはっきりした味わいを醸している。さらに酸、ミネラル感がしっかりあるので、料理との相性も良い。
日本産だからというわけではないが和食との相性が良いワインなのだ。

さらにもう1本おすすめなのが、勝沼醸造が造る「甲州テロワール・セレクション祝」(希望小売価格2400円)。

もつ鍋に合う白ワイン「甲州テロワール・セレクション祝」(希望小売価格2400円)

もつ鍋に合う白ワイン「甲州テロワール・セレクション祝」(希望小売価格2400円)



こちらもまた甲州種に特化したワインなので刺身にも合わせられるが、それと同時に鍋もの、特に博多名物のもつ鍋に合うワインなのだ。
甲州市勝沼町の上岩崎地区を中心に育てられた甲州種を使っている「甲州テロワール・セレクション祝」は、柑橘系の香りと繊細な味わいの中にもしっかりとした芯のある風味があり、野菜、モツ、ダシ、すべての旨みを引き立て、口の中できれいに合わさる。
柚子胡椒との相性も良いのも嬉しい。

日本産の甲州種がもたらした和食とワインとのマリアージュ。
そこには間違いなく、新しいワインの可能性が開けている。

ごまサバと甲州種の白ワインの組み合わせ、あなたのお店でも試してみてはいかがだろうか?


 




この記事のワインに関するお問い合わせ
(株)モトックス 西日本チーム
TEL:06-6723-3135(代)




料理提供および企画協力

魚男(フィッシュマン)
住所:福岡県福岡市中央区今泉1-4-23
TEL:092-717-3571
HP:http://www.m-and-co.net/fishman/




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