九州・山口の飲食店、レストランの新しい潮流を発信するビジネスサイト「フードスタジアム九州」

インタビュー

「北九州の資さん」から「世界で愛される資さん」へ。第二創業期をリードする佐藤崇史社長が語る、「資さんうどん」の未来とは?

1976年の創業以来、「幸せを一杯に。」を使命にファンを増やし続ける「資さんうどん」。福岡県を中心に45店舗以上を展開する同店は、2019年7月、佐賀県に初出店し、2020年4月には熊本県にも初出店を予定。今後は九州、さらには海外へと出店を進めていくという。2018年3月に社長に就任した佐藤崇史氏に、「資さんうどん」の魅力や今後の展開などについて話を聞いた。



創業者の想いや会社としてこれから進むべき道をスタッフ全員で共有し、さらなる飛躍を!

——人材育成については、どのようにお考えですか?
店は店長次第です。いい店長がいれば店が活気付きますし、お客様の満足度も高くなり、売上も伸び、従業員も働きやすくなります。そのため、そういう店をつくることのできる店長をいかに育てていくかというのが重要になりますね。内部から店長になりたいという人もたくさんいるので、スタッフから店長候補への登用も積極的に行なっています。一方、成長企業で自分を試したいという人など、外部からの採用人数も増えています。人材の充実も進んでおり、ありがたいと思いますね。そこで重要になるのが教育です。店長候補に対しては店長のいろはを教える研修をスタート。店長は月に一度の勉強会を実施し、エリア長に対する教育プログラムも立ち上げました。それぞれのポジションで、さらなる高みをめざせる環境づくりに力を入れているところです。
——世界に羽ばたくための具体的な戦略を教えてください。
この味、このサービスはどこでも通用すると思っています。より多くのお客様に、私達が大切にしてきた「資さんうどん」の「最高の一杯」を提供するということを崩すことなく、これからも事業を拡大していきたいですね。同時に、これからは人が不足する時代。その中で生き抜くための鍵は2つあると考えています。1つは効率化。お客様への提供価値を変えることなく、レイアウトを見直したり、最新設備を採用したりしながら、効率的にできる仕組みを一つひとつ導入し、一人ひとりのスタッフの負担を軽減していきます。もう1つは「資さん」の強みであるチームワークです。チームワークを強化して、より働きやすい環境をつくっていけば、「資さん」はこれまで以上に輝いていくことができると思っています。
——昨年3月には経営理念を新たに制定されたそうですね。
はい。創業者がいらっしゃった時代は、創業者が「資さん」そのものでしたし、価値観の共有ができていたと思います。しかし、創業世代から世代交代し、5、6年経っている中で、「資さんが何を大事にしてきたのか」「資さんはどこをめざしていくのか」について改めて共通認識を持つことが必要だと考えました。経営幹部から現場の店長まで巻き込んで、徹底的にディスカッションを重ね、半年をかけて経営理念をつくりあげました。現在、この経営理念は各店舗のお客様が見える場所に掲示し、私たちが何を大切にしているかをお客様にもコミットし、実行していくことに取り組んでいます。
——そのほか、新たな取り組みなどがあれば教えてください。
現在、女性の活用を進めており、女性店長が増えています。私が着任したとき、女性店長は2名でしたが、現在は9名います。店長をやってみたいという女性スタッフも増えていますし、今後も積極的に門戸を広げていこうと考えています。昨年3月には、店舗の総合力を競う「資-1グランプリ」を初開催しましたが、女性店長が初代グランプリに輝きました。彼女は「もっと新しいことにチャレンジしたい」と言っていたので、九州では福岡以外初の出店となる佐賀1号店の店長を任せました。

また、私が就任して以降、隔月で社内報の発行を始めました。約2,500人のスタッフとその家族や取引先様の皆さまにも読んでいただきたいと考え、あえて印刷物にして配布しています。創業者がどのようなことを大切にしてきたのか、これから会社はどのような方向をめざしていくのかを共有するとともに、お互いのことを知ることも大切です。さまざまな店舗で働くスタッフが交流できるようにと、昨年は全店舗対抗のボウリング大会を実施しました。

「資さん」の強みはチームワークです。お互いのこと、会社のことをちゃんと知った上で仕事に取り組んでいくことで愛着もわきますし、士気も高まります。社内報の発行やボウリング大会の開催もその一環ですし、しっかりやっていきたいと思いますね。私たちのビジネスは人が商品をつくり、人が提供して、人がサービスをしています。人が輝いていないとお客様に幸せを提供することはできません。現場の人たちが活き活きと働いてくれることが、お客様満足につながります。これからも会社として、人への投資が最優先と捉え、力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
——ありがとうございました。
【佐藤 崇史氏プロフィール】
1997年、慶應義塾大学環境情報学部卒。同年、ソニー株式会社に入社し、営業/事業企画を経験後、2001年より、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)にて、消費財等の顧客企業に対し、経営戦略/海外戦略/新規事業立ち上げ等のコンサルティングを手掛ける。2006年、ユニクロを展開する株式会社ファーストリテイリングに転じ、経営変革/グループ戦略/人事/店舗運営/社長室等の責任者を歴任。チェンジエージェントとして経営変革をリードする。2018年3月より現職。

固定ページ: 1 2 3

インタビュー一覧トップへ


;