福岡市中央区警固。飲食店が建ち並ぶ上人橋通りの路地裏に9月1日、居酒屋風ワインバー「(食)ましか 福岡本店」がオープンした。約100種の自然派ワインと創作イタリアンのメニューを取り揃えている。
手がけるのは大阪市西区江戸堀で「(食)ましか」を経営するオーナー・今尾真佐一氏だ。今尾氏は大阪の酒屋「小松屋」に11年務め、シニアワインソムリエの資格を取得。2011年9月に「(食)ましか」を立ち上げた。コンセプトは「Platform of “EAT”(食のプラットフォーム)」。店を通じて様々な人が集まる場所を目指して始まったこの店は、タバコ店の様相で居酒屋風のイタリアン料理を提供するほか、サンドイッチの販売をするなどといった珍しい営業スタイルでたちまち話題を集めた。15坪40席の店内はいつも満席で、昨年は「(食)ましかの本」(京阪神エルマガジン社)が発行されたほど多くの人を虜にしている。そんな大阪の人気店が、満を持して福岡に上陸したのだ。
「大阪の店はスタッフも育って安定してきたので、二号店を開きたいという気持ちが常にありました。ワインの仕込みやイベントで日本各地をまわっているなかで、福岡が最適なんじゃないかと思ったんです」と、今尾氏。1年弱の期間を経てようやくオープンにこぎつけた。「居酒屋の数も多いし、酒飲みの人も多い。飲食店街の勢いは大阪に似ている部分があると感じます」。しかし「(食)ましか 福岡本店」がオープンした場所は上人橋通りの“路地裏”である。なぜあえてひっそりとした場所を選んだのか。今尾氏は「一歩表に出たら賑やかですけど、路地裏は静かですよね。だからこそ、盛り上げていきたいと思ったんです。福岡の人たちにどう受け入れてもらえるか、今から楽しみですね」と朗らかに笑った。
メニューは「トリュフのタヤリン あさりバタークリームソース」や「おかんのメンチカツ」など大阪でも人気があるものを13品ピックアップ。料理に使う素材やワインはできるだけ関西から仕入れている。「県外から来た自分にできるのは、大阪の良いものを持ってきてみなさんに楽しんでいただくことだと思っています。もちろん、福岡にも魅力的なものがたくさんあるので、今度はそれを大阪に伝えていきたいなとも考えているんです」。
ドリンクは「本日の生ビール」(500円~)や「ましかのハイボール」(500円)をはじめ、グラスワイン、ボトルワインなどを豊富にそろえる。フードは小ポーションも用意し、待ち合わせまでのちょっとした空き時間や飲み会の二軒目として気軽に楽しめる設計にした。
店内は厨房をコの字に囲うカウンター席のみ。大阪の店と比べると3分の1の規模でスタートした「(食)ましか 福岡本店」。一人でキッチンと接客を担う今尾氏の気概溢れるその姿に「この地で挑戦したい」という力強いメッセージを感じた。
隣には福岡の炉端ブームを牽引してきた「炉端 百式」の二号店が建設中だ。店舗が完成したら、壁をぶち抜いて窓を作り、隣接する店同士で商品の行き来ができるようにする予定だという。まさに今尾氏が目指す「Platform of “EAT”」が実現する日もそう遠くない。
(取材=内川 美彩(チカラ))
店舗データ
店名 | (食)ましか 福岡本店 |
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住所 | 福岡市中央区警固1-6-4 KENT KEGO-B |
アクセス | 西鉄福岡(天神)駅から徒歩10分 |
電話 | 070-5344-4455 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 不定 |
坪数客数 | 5坪20席 |
客単価 | 2500円 |
運営会社 | (食)ましか |
オープン日 | 2017年9月1日 |
関連リンク | (食)ましかHP |
関連リンク | (食)ましかFBページ |