九州・山口の飲食店、レストランの新しい潮流を発信するビジネスサイト「フードスタジアム九州」

有田焼 七代目弥左ヱ門
有田焼 七代目弥左ヱ門 松本哲  九州大学経済学部卒業後、某都市銀行に入社。 3年間勤めるが実家に呼び戻され家業を継ぐことになる。 現在のライフスタイルに合った有田焼ARITA PORCELAIN LABシリーズの開発と、泉山の陶石を使用し、有田焼の本来の良さを追い求めた、明治時代の逸品を復刻する精磁会社復刻プロジェクトを手がける。 身長186cm 体重90kg の野獣。

Title:有田焼の原料はどこから?~天草に行ってきました!~

今回は有田焼の主原料である陶石をご紹介します。
先日、社員が天草まで行ってきました。
その時ことをレポートしてくれているので、よかったらご一読下さい。



有田焼の原料はどこからきているかご存知ですか?

400年ほど前に朝鮮陶工の李参平が有田で陶石を見つけたんだよね?
だったら今でも有田町内で調達できる?



有田町内にある泉山磁石場


海外から?
時期で有名な景徳鎮やチェコ、ニュージーランドにもカオリン土などの陶石の成分産地はあります。
マイセンとかヘレンドはチェコやドイツのカオリン土と長石などを混ぜ合わせて自社に最適な粘土を作っています。




有田の場合は陶石は熊本県天草市から来ています。

150年ほど前までは天草陶石と泉山陶石を混ぜたものを使ったりしているところもありましたが、
保守的な人たちからは泉山の磁石を使っていないものは有田焼とは認めないという意見もありました。
しかし、明治35年(1902年)から品評会(九州山口陶磁展の前身)でも泉山陶石以外の陶石で作られたものでも
出品可能になったそうです。

現在はカオリンを多く含む天草陶石が使用されています。
天草陶石は粘りがあり、また鉄分やチタンの含有量が少ないためとても白く焼き上がるそうです。

日本は特別で、とってきた石を砕いて水を入れて練って焼けば焼物になるという、素晴らしい配合の石が取れるんです。
海外ではそうはいかず、数種類の材料を混ぜ合わせなければなりません。
素晴らしい日本の陶石の中でも抜群の配合になっているのが天草陶石。
鉄分やチタンの成分が少ないため、白く美しい焼物ができるんです。

一部作家さんなどが今でも泉山陶石を使っていらっしゃいます。


そんなこともあり、私は一度どうしても、天草の磁石場を見てみたかった。
私たちが使っている陶石はどんなところで採掘されているのかを見たかったんです。
たまたま、他の窯元の方が天草の磁石場を見学に行かれるというので、私も同行させていただきました。



有田から天草までは船で行きます。
鹿島市を通り、あの有名な「ギロチン」と言われる有明海潮受け堤防の上にある道路を取って長崎県の島原に行きました。
島原から天草までフェリーが出てるんですよ。

フェリーから撮った海。これしか写真撮っていないというのが何ともかんとも(笑)
島鉄フェリー

天草に渡ってからはとってもいい景色です。




天草にある陶石やさんで一番有名なのが「上田陶石合資会社」
上田陶石合資会社さんは焼き物も焼いてらっしゃいます。
さすがに陶石やさんの焼物、とっても地肌がきれいでした。

そして上田家史料館が敷地内にありました。



天草の陶石は1662年に平戸藩窯の今村弥次兵衛が初めてつかったと言われています。
それまでは包丁を研ぐ「砥石」として使われていたそうです。
今でもホームセンターなどで砥石のコーナーに行くと天草砥石が販売されていますよ。


この文様は高浜焼の代表的なものだそうです。
海松紋【みるもん】
さすがに海の近くだけあって海藻の文様ですね。モダンな感じもして可愛いですね。



説明文を読んでいると面白いことが書かれていました。
「高浜焼が売れず、有田焼ばかり売れている。有田焼の原料は天草陶石だから有田には陶石を売らないようにしよう」
というような記録も残っているそうです。

とは言え、高浜焼の品質向上のため平戸藩三川内や長崎の亀山から職人を呼んだり苦労されたようです。
それも何より天草の人々のため。
天草の人々の職を作り出すために庄屋でもあった第7代上田源太夫宜珍が私財をなげうってでも産業を興したんだそうです。

しかし、高浜焼は12代が閉窯し、陶石の採掘販売に専業していた時期もあったようです。


有田以外の焼物産地の歴史を知る機会はあまりないのでとても衝撃を受けました。
それとともに有田焼の影響力の高さにも驚き、いまの有田の現状と重ね合わせ
「人々に憧れられる有田焼なのか?高い技術は保持できているのか?」
と振り返った次第です。


ARITA PORCELAIN LABの粘土もたどっていけば、この上田陶石から来ているようです。


というわけで、採掘現場に行こうとしたのですが・・・。

有田の人は磁石場はすぐ身近にあります。
町中にあって、磁石場のすぐそばまで家が建っていたり、陶器市の通りもすぐそばです。
なので、天草の磁石場も甘く見ていました。
すぐにつけるのだろうと。

田んぼを抜け、山に入りました。
細い道を通り、ようやくあったのが、磁石の選別場。
この奥に磁石場があるに違いない!
その前に古窯跡も見ておこう!





奥には登り窯跡がありました。






5連くらい繋がっていました。
足場が悪くて写真撮るのが精いっぱいで数えていませんでした(汗)

こんな山の中で焼いていたんだと思うと、運搬とか大変だっただろうなと。
単純にそう思いました。

さぁ、登り窯も見たし、磁石場へGO!


途中から道の舗装がなくなり、でこぼこ道。
でもトラックが通ったような跡はあります。
トラックが通っているのであれば、間違いない!
そう信じて30分。
着きました!

ハイ!
山が削られて、茶色い地肌が見えています。
まるでショッカーが出てきそうです。

あまりのショックに写真も撮り忘れていましたが、どうもここ、磁石場じゃないようです。
陶石ではない他の土の採掘現場のようでした。

フェリーの時間もあったので、改めて磁石場を探すこともできずに、先ほど通った選別場に寄りました。
ここでも衝撃の事実が!


おばあちゃんが石を手作業で選別しているんです!

天草は有田と違って陶石が帯状に堆積しているそうです。
地層をイメージして下さい。バームクーヘンのように地層が折り重なっているそうです。
有田の場合は山一つが陶石。

今は昔のように陶石の塊(岩)での採掘がなくなっているそうです。


昔は捨てていたような小さな石を選別して陶土にしているとのこと。
その選別をおばあちゃんがしていました。


なんだか、涙が出てきました。
私たちは粘土になったものしか見たことがなかったのですが、その原料は手作業で選別しているのかと。
本当にここは日本で、2015年なのかと!

有田焼の現場を見学して頂いた方は
「こんなに手作業とは思わなかった。」
とおっしゃいます。

私も同じ気持ちでした。
「陶石を選別するのにまさか手作業だったとは。」

天草陶石はとりやすいところの多くは採掘が終わっているそうです。
今後は山の木を切り、堆積している土を取り除いた後、よりよい陶石を採掘しなければならないそうです。
採掘するまでに山を切り開くためにかかる費用は・・・・
とてつもない金額がかかるとのこと。
すぐにはできないそうです。

もうすぐ、陶石の値段が上がります。
選別場を見ればそれも仕方ないのかな~と思う反面、なかなか製品に転嫁できないこともあります。


工場内手工業である有田焼。
原料も手作業での選別。
有田焼を手に取られた方々は大切に使って下さいね。

「割れないと新しいものが売れない」
と冗談のように言いますが、作り手からすると割れるのは哀しいです。
大切に使って頂いてこそ、愛着も湧きます。
割れたら困るからなおしておく、飾っておくではなく、大切に使っていただくことが一番嬉しいことです。

これからもARITA PORCELAIN LABをよろしくお願いしますね。



最後に、日本で3本の指に入ると言われているお寿司屋さんで食事しました。
めっちゃおいしくて、また行きたいです(笑)

Title:健康診断~有田特有の診断項目~

28日29日と健康診断がありました。

企業の健康診断といえばだいたいどんな検査項目があるかは予想がつかれると思います。
・視力検査
・聴力検査
・尿検査
・身長
・体重
・レントゲン
・血圧
・医師の問診

他にはバリウムとか血液検査とか心電図とかですよね。


有田の窯元では他にも二つの検査があります。
・じん肺
・鉛毒

じん肺は5年に1一度。
焼き物の細かな粉が肺にたまっていないかの検査。

鉛毒
赤絵の職人さんの検査。
弊窯では鉛を使った絵の具は使っていませんが、それでも検査をしなければならないそうです。
血液検査するんですって!


結果が分かるのは6月。
何にもないと分かっていてもドキドキしますね。

職人さんには今年一年、元気でいい製品を作り出してほしいです!







モダンな和食器(有田焼)通販サイト・ARITA PORCELAIN LAB 7,560円以上のお買い上げで送料無料


1616年に李参平をはじめとする朝鮮陶工によって始まった有田焼は2016年で400周年を迎えます。

Title:TOMは何しに日本へ?~ホームステイがきっかけで日本大好きに~

YOUは何しに日本へ!

大好きな番組です。

この番組に、ARITA PORCELAIN LABの職人さんが出演しました!!!
すごいですよね!

とはいっても写真だけの出演ですが。




ドイツから来たトム君が今回のメイン。
このトム君が職人さんのおうちにホームステイしたことがきっかけで日本が大好きになったんだそうです!


何回かこちらのブログでもご案内していますが、有田町とドイツマイセン市は姉妹都市を提携しています。
36年前からのお付き合いです。36年前というとまだまだ東ドイツだったころのこと。
そして、東西ドイツの統一されてすぐに有田からマイセンを訪問し、姉妹都市の再調印をしたそうです。
そのころから始まったのが青少年交流事業。
1992年
に第1回目がありました。

それから毎年一年おきにマイセンと有田を行ったり来たりしています。

その事業で有田に来たのが今回のトム。
トムが有田でホームステイしたのがうちの職人さんのお宅。
そこでの経験が日本大好きになるきっかけになったことは本当に素晴らしいですね。


国際交流!
これからもマイセンと有田の友好が続きますように!


この番組は6月1日までテレビ東京のHPで見ることができるそうです。
よかったらご覧ください!











モダンな和食器(有田焼)通販サイト・ARITA PORCELAIN LAB 7,560円以上のお買い上げで送料無料


1616年に李参平をはじめとする朝鮮陶工によって始まった有田焼は2016年で400周年を迎えます。

Title:朝から大惨事!刷毛巻ピンチ!?~LABの現場から~

社内の若手だけのLINEグループがあるのですが、(僕も入れてもらっています。みんな言いたい放題なんですけどね。)
そこに始業時間ギリギリに流れてきた

「なんじゃこりゃー!」

の文字。


「なんじゃこりゃー!」と思って開いてみると大惨事の写真が送られてきていました。

LABシリーズでは定番の技法、刷毛巻。
刷毛巻は釉薬に絵の具を混ぜたものを刷毛を使って塗っていきます。
釉薬と絵の具を混ぜると言っても、マドラーでクルクルというわけにはいきません。
ポットミルを使って2日間ほど連続でかき混ぜ続けます。





これに材料を入れて機械に乗せて回します。
ずっと工場内はカラカラカラカラと玉が回る音がしています。

見ていただければわかると思いますが、ポットも結構厚いですよね。
それがこんな感じに割れていたんです!!


内側から割れていたみたい。

ビックリして現場に行ってみると朝から下絵付けの職人さんが片付けてくれていたみたいで、
私が駆け付けた時には床は綺麗になっていました。





とは言え、出来上がりに時間のかかる釉薬。
1ポット分は作り直しです。

刷毛巻はこんな風にして作ります。



簡単に見えますが、ムラにならないように、毛が残らないようにとか、気を使います。
毛が残ったまま焼いてしまうと、そこだけ凹んでしまい「割れ」のように見えます。
毛を取ろうと触ってしまうと、そこだけ風合いが変わってしまうため、毛が残らないように刷毛の毛が抜けないように
先にブラッシングして取れる毛を取ってしまってから作業に入ります。

とても手がかかりますが、人気の製品は刷毛巻が多いです!

刷毛巻のシリーズ



朝からビックリした出来事でした。

Title:テレビで使われている器

最近、テレビや雑誌を見ていると

「これ、アリタポーセリンラボの器やん!」

と驚くことがよくあります。

あと、お客様や取引先の方からも

「○○っていう番組で使われていたよね!」

とかも。


番組名は言えませんが、(言っちゃだめって言われてしまいました・・・)
あるお料理の番組ではJAPANシリーズ SNOWとAUTUMN 段付飯碗、三方なぶり鉢とか
CHERRYの小鉢などをつかって下さっているようです(陶器市お客様情報)

あとは同じ局で他の番組でもJAPAN SNOW 段付飯碗が使われていたとか。
これはお取引先から教えていただきました。

私が気がついたのはある炊飯ジャーのCM。
お米になりきった女優さんが炊飯器について語ります。
そのあとに幸せそうな夫婦がご飯食べているシーンで使われているのが、コレ!

JAPAN SNOW 段付飯碗 プラチナ

JAPAN SNOW 段付飯碗 プラチナ



またまた段付飯碗のプラチナです。

形もとっても持ちやすいし、見た目も「シュッ」としている。

その他にも目撃情報ございましたらお知らせくださいませ!









モダンな和食器(有田焼)通販サイト・ARITA PORCELAIN LAB 7,560円以上のお買い上げで送料無料


1616年に李参平をはじめとする朝鮮陶工によって始まった有田焼は2016年で400周年を迎えます。


;