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Title:立ち飲みで人気「三九酒場 けごむす」運営の39ダイニングが座れる「原始焼酒場 けごむす」を福岡・警固に開業! 日本酒と酒に合う料理、シメは土鍋ご飯のおむすびで客のご縁もむすぶ空間に。

姉妹店「39酒場 けごむす」から徒歩1分の「原始焼酒場 けごむす」
コの字型のカウンターで客同士、客と店員同士の絶妙な距離感を演出している
社長の高山氏も栽培に関わる筑紫野市山口産の米で握るおむすび。写真奥の別添えの具は卵黄醤油漬け(左)と豚味噌
串刺しにした食材を立てかけてじっくりと火を入れる原始焼。素材のうまみが閉じ込められ、外はパリッと焼き上がるという
原始焼で仕上げた穴子にたっぷりの山椒を盛った「対馬金穴子の山椒タレ焼き」
おむすびを握るポーズをする社長の高山洋平氏(右)と店長の辻村雅洋氏

「うまい米と日本酒を多くの人へ届けたい」

「美味しいお米とお酒をたくさんの人に楽しんでもらう。その活動に勤しめればそれでいいんです」。 福岡・警固に昨年12月12日にオープンした「原始焼酒場 けごむす」を運営する39ダイニング代表取締役・高山洋平氏の思いは単純明快だ。

原始焼酒場から160メートルの場所にある「三九酒場 けごむす」は2017年1月にオープン。福岡エリアの「立ち飲み」のはしりとして人気を博してきた。高山氏は今回、業態を変えた「座れるけごむす」で「けごむす」のブランディングに着手した。居抜き物件で入居したが、ほぼスケルトンにして改装。店内中央のコの字型のカウンターは「お客さん同士、またお客さんと店員の距離の近さを大切にした」と立ち飲み的な要素も残す。日本酒と日本酒に合う料理、そして自身が栽培に関わる米で握るおむすびの三点セットもグレードアップさせて健在だ。

「れんげ農法」で米作り

原始焼酒場では土鍋で2時間おきに炊き上げておむすびとして提供している米は、筑紫野市山口にある山神ダムのそばの高原で高山氏の義父が栽培している夢つくしだ。高山氏も5年ほど前から全行程に本格的に関わっているという米作りのこだわりは、「ほぼ農薬なしに近い」という超低農薬を実現させるレンゲ農法だ。毎年10月頃にレンゲの種を蒔き、4月頃に満開になった花を5月の田植え前にそのまま土とともに耕すこの農法。土中の窒素やリン、カリウムのバランスが取れ、化学肥料が不要の栄養満点の土ができるという。

市販では流通していないため、2店の「けごむす」でのみ味わえる貴重な米だがすでに生産が追いつかない状況だという。そこで、現在使われていない周辺の田んぼも活用し、「来年からは会社としても社員を送り込みたい」(高山氏)と米作りにも本腰を入れる。

水の量や炊き加減などの試作を重ねて土鍋で炊き上げた米。高山氏は「一粒一粒の主張、粒感、透明感のある甘みは本当に美味しい」と力を込める。おむすびは1個290円で、別添えの具は明太子や梅など定番のほか、卵黄醤油漬け、豚味噌など8種類から選べる。米のうまみを存分に味わってもらうため、海苔は巻いていない。 

炭火の遠赤外線でじっくり「原始焼き」

目玉の一つである「原始焼」は炉端に炭の入った五徳を置き、串刺しにした食材を立てかけて焼き上げる調理法。肉や魚に15〜20分間かけてじっくりと火を入れることで、素材の美味しさを閉じ込めながら外はパリッと焼き上げることができるという。高山氏が特に気に入っているのは「桜姫もも焼」(750円)や「対馬金穴子の山椒タレ焼き」(980円)。「カマス塩焼き」(1080円)も丸ごとかぶりつける一品だ。米作りで出る藁を使ったマグロや鰆の藁焼きなどがメニューに加わることもある。「餅と大葉と自家製からすみ」(650円)や飼料にハーブを混ぜて臭みを消した鮮魚を使った「胡麻ハーブ鯖」(950円)、店内で燻製した様々な素材を盛り合わせた一皿(600円)などメニューには日本酒通をうならせる料理の数々が並ぶ。

唎酒師の資格を取得するほどの日本酒好きだという高山氏。「日本酒の良さは米のうまみ。僕自身はコメコメした味が好きです。店では売れ筋から九州では手に入りにくい関東の酒造の銘柄まで常時20種類ほどを揃えています」。冷はもちろん、「独楽蔵 玄 純米吟醸」(120ml、650円)や「会津姫 純米」(同)など熱燗で楽しめる銘柄も多い。シェリー樽に10年貯蔵した「天使の誘惑」(800円)は薄い琥珀色をした芋焼酎で、こちらも味わい深い。

お米をむすび、ご縁もむすぶ

高山氏は3年の修行後に独立することを決め、25歳でもつ鍋店を展開する会社に入社。福岡県内や東京・六本木で計4店舗の立ち上げに関わり、飲食店経営のノウハウを学んだ。「自分自身が学校の先生、仕事、友達など人との出会いを通して成長してきた。たくさんの人がそんなきっかけに巡り合えるような場を作りたい」と2012年5月に「39酒場 魚平(うおへい)」を開業。以来、店で出会って結婚し、毎年結婚記念日に来店してくれる夫婦、生まれた子どもを連れて来てくれる夫婦もいる。高山氏は「多分僕が知らないところでもっといろんな出会いが生まれていると思う」と顔をほころばせる。「お米も、人と人の縁もむすぶ場でありたい」。店名に込めた思いだ。

今後の展開について高山氏は「ぴんとくる場所があれば、そこにあった業態で日本酒と米を提供したい」と話す。社員とともに、焦らずじっくりと店づくりを味わっている。

店舗データ

店名 原始焼酒場 けごむす
住所 福岡県福岡市中央区警固2-11-10 高橋ビル105
アクセス 地下鉄・赤坂駅から徒歩10分
電話 092-791-4290
営業時間 17:00〜25時
定休日 日曜日
坪数客数 12坪19席
客単価 3500円

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